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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2005年2月17日配信)

第5回  『髪の毛で隠さナイ(2)』

 こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

 1月末に皮膚科の小さな学会があり、釧路市に行ってきました。偶然帰りの列車の車窓から、SL冬の湿原号という蒸気機関車が煙を吐いて走る姿をみました。C11-171号という機関車で、数年前から冬場に釧路と標茶間を走っているそうです。私は旅行が好きですが、3~4歳頃機関車に乗って旅行した頃の事を懐かしく思い出しました。ステップを降りたら顔にうっすらとすすがついていたのを今でも憶えています。
 現在は時間に追われ果たせませんが、将来はゆったりとした昔ながらの旅を楽しめたらと思っています。
 (SL冬の湿原号については http://kushiro.com/cool/sl/を参考にして下さい。)

 ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々ですが、このコラムが皆様のニキビ改善のちょっとしたヒントになれば幸いです。また、冬は空気が乾燥しておりますので、お肌の保湿や体調に十分注意して下さい。

 とかち美白研究所では、VCローションを購入されている方に会報を毎月発行しております。そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4ナイ)』というものを載せています。(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

  • (1)爪を切っていじらナイ
  • (2)髪の毛で隠さナイ
  • (3)夜更かししナイ
  • (4)乾燥させナイ

 これは私が皮膚科診療を15年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

 前回『髪の毛で隠さナイ(1)』では、『髪の毛の刺激により、ニキビは悪化します。長年の髪型は変えたくないものですが、ニキビに髪の毛がふれないように少し変えてみませんか?』と、髪の毛で隠さナイことの大切さを説明しました。
 第5回の今回は、少し脱線気味になりますが、最近の外来で経験したことなどを交えてお話します。

 先日、患者さんでニキビが診察の度にどんどん改善してきた方がいらっしゃいました。(仮にAさんとさせていただきます。)
 Aさんの治療は普通の保険診療が主体で、VCローションは最近になって使い出したばかりです。
 Aさんは、初診時は顔一面に膿疱を伴った赤ニキビがあり、ニキビ跡も目立ち、表情は私も引き込まれそうになる位に暗かったです。当然髪で思いっきりニキビを隠して、爪も長い状態でした。初診時は髪と爪のことは厳しくチェックさせてもらいましたが、内心『この患者さんは頑固そうだからダメだな。』と思っていました。

しかしながら、Aさんは再診時には髪はアップにして、爪も少し短めにしていました。私は『やる気が出てきたな。』と少し見直しました。その後、Aさんは診察を重ねるごとに改善し、現在ではビタミン剤の内服とVCローションを使用するのみです。

 先日少し時間があったので、再診時『人生変わりましたか?』と冗談交りで、ちょっと聞いてみました。Aさんは、少し小声ですがニッコリと『はい。本当に変わりました。ちょっと勇気を出して髪型を変えたのが良かったです。
ありがとうございます。』とおっしゃっていただきました。これは、医者冥利に尽きる一瞬でした。

 ちょっと脱線しますが、時々いろんな人から『先生は何でそんなに髪の毛が短いのですか?』と聞かれます。
患者さんに身を以て、髪の毛でニキビを隠さないことの重要性を示すのが、主な目的ですが、ちょっと昔のエピソードをお話しましょう。

 私は大学時代は普通の学生でした。授業はまじめに出ていましたが、ただそれだけでした。髪型は少し長めでパーマをかけていたこともありましたっけ。

 しかし、皮膚科の医局に入局すると生活は一変し、臨床に加え、大学院生でもありましたので研究や学会で休みはほとんどなく(1年で休めたのは数日のみでした)、髪を切る暇がなくなり、切る時は思いっきり短くするしかなくなりました。時間を何とか見つけては近くの遅くまでやっている美容院(カットのみで2500円と安かった。)に行きました。  閉店間際に飛び込み、『いつものように短くして下さい。』と一言だけ言って、カットしてもらっている間はひたすら寝ていました。私の髪が短くなったのは、それからです。

 その頃一つ気付いたことがありました。髪の毛を切って短い時は、集中力が高まり研究のよいアイデアが浮かび、論文を書くスピードがアップしていたのです。最近、本屋さんでこんな本を見つけました。『運を呼び込む成功顔になりなさい。』(藤木相元 著)です。その一文を引用させていただきます。

『発想の起点というのは、額のなかの感性と知性にあります。ですから、第一に、この額を常に出しておくことが重要です。前髪などを垂らしていると、その人が本来有している知性・感性が埋もれてしまうのです。』

とありました。我が意を得たりと思いました。

 私が院長を勤めている、とかち皮膚科は、今年の3月3日で開業して満8年を迎えます。お陰さまで、新患は4万4千名を越えました。1日平均で約20名の新たな患者さんにご来院いただいている計算になります。十勝地方の人口は約36万人ですから、かなりの割合を占めていると思います。

 髪を短くしたら、こうなったとは言えませんが、少なくとも『運』が上がったのは間違いありません。ニキビ治療には精神面の影響も大きいと思われますので、今回、敢えてお話させていただきました。

 今週のポイントは、ちょっと脱線気味ですが、こんなところでしょうか?

『髪の毛が顔にかかると刺激になります。ニキビを髪で隠すのはよくありません。長年の髪型は変えたくないものですが、ニキビに髪の毛がふれないように少し変えてみませんか?運気が上がって人生変わるかもしれませんよ。』

それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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