コラム 「 とかちの窓から 」Column

第60回 『アダパレン(ディフェリンゲル)の使用経験について』
(2009年8月20日配信)

こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

 帯広、十勝はお菓子や食べ物のおいしい所です。夏は帰省や観光のお客様で地元のお菓子屋さんは大賑わいです。

 第58回の『六花亭』さんに続いて、今回は、『柳月(りゅうげつ)』さんを紹介させていただきます。 (『柳月』さんのHPhttp://www.ryugetsu.co.jp/)

 『柳月』さんは、『三方六』が全国的に有名です。子供の頃は、お土産でもらった『三方六』を、家族に内緒で自分で勝手にカットして食べていました。最近は『十勝この実』がお気に入りです。

 この7月からは、北海道出身の『タカアンドトシ』さんとのコラボで、オリジナルのお菓子も販売中です。 (http://www.ryugetsu.co.jp/event/09takatoshi/index.htmlをご覧下さい。)

 『柳月』さんのすごい所は、手頃な価格でお菓子を提供していること。社長さんのお話では、『3人家族で、ケーキ3個食べて500円で提供する』よう努力されているそうです。庶民の味方です!

 私が『とかち美白研究所』を設立して、心がけていることも同じです。優れたオリジナル製品を次々に開発し、様々な工夫により、同内容の製品の半分程の低価格で提供できるよう努力しています。

 とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

 とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。

 そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)

今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

 これは私が皮膚科診療を19年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

 ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。

 第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。

 第48、49、50回のコラムでは、昨年10月に保険適応となった、アダパレン(ディフェリンゲル)についてお話しさせていただきました。
 今回は、私の使用経験を元に、この薬の実際について解説させていただきます。
 特殊な薬ですので、理解しやすいように重要事項を列挙して、使用経験と照らし合わせて解説します。

・ニキビの外用治療剤『アダパレン』、商品名『ディフェリンゲル0.1%』(以下DG)が保険適応となり、昨年10月21日より、一般の皮膚科でも処方可能となりました。

・ニキビでは、『微小面皰』から『閉鎖性面皰』へと進展し、『開放性面皰』を生じたり、さらに、炎症が起こり、『紅色丘疹(赤ニキビ)』や『膿疱』などの『炎症性皮疹』へと到ります。

・『DG』は、皮膚の表皮に存在するレチノイン酸レセプターに選択的に結合し、毛包上皮細胞の角化を制御するため、『面皰』の形成を抑制し、『炎症性皮疹』への進行を防ぎます。

・『DG』はいわば、『ニキビの根元を断つ』という薬です。

・『DG』には、副作用もあり、以下の特長を良く理解した上で、慎重に使用することが大切です。

・ (効能・効果)
    顔面の尋常性ざ瘡(普通のニキビ)にのみ使用します。

・ (用法・用量)
  1日1回就寝前、洗顔後、水分を拭き取り、顔面のニキビが発現している部位に適量を塗布します。

・ (使用上の注意)

1)『DG』は、外用開始後2週間以内に、皮膚乾燥、皮膚不快感、皮膚剥脱、紅斑、そう痒症などの皮膚刺激感を生じることがあります。

2) 副作用は、通常、軽度で一過性ですが、発生後、継続使用中に消失又は軽減しない場合は、休薬や使用中止が必要です。

3) 他の刺激性のある外用剤(イオウ、レゾルシン、サリチル酸を含む薬剤、乾燥作用が強い石鹸や化粧品、ピーリング剤等)との併用の際には、皮膚刺激感を増すおそれがあるため注意が必要です。

★★★★★★★★★★★★★★[解説1]★★★★★★★★★★★開始★

 副作用、特に乾燥症状は必発とのことで、特に注意していました。やはり他の外用剤と比べると多いと思います。

 私は、DGを初診の時にいきなり処方することは少ないです。他院でDGを初診時に処方され、かえってニキビが悪化したため、当科を受診される患者さんが増えています。

 特に、保湿の重要さを意識していない、中~高校生に多く、男女別では男子に悪化している方が多いようです。

 悪化の特徴としては、『白ニキビ』様の皮疹が多く認められます。保湿不足であると言えます。

 DGで悪化した場合、後日、他の治療で改善した後、DGの再開を指示しても、患者さんには受け入れられないことが多いです。

 せっかくの有効な薬ですので、大変残念なことだと思います。

★★★★★★★★★★★★★★[解説1]★★★★★★★★★★終了★

・(量・価格・保存法について)

1)1本15g 入りで、約1、770円 です。(約2週間分)

2)診察料等も含め、DG1本のみ処方されたとして、2千円位でおつりがくる位の自己負担です。
 (院内処方や院外処方の別により負担が変わります。)

3)開封後は、常温保存で少なくとも数ヶ月は品質が維持できます。

★★★★★★★★★★★★★★[解説2]★★★★★★★★★★★開始★

 当初から、問題が起こるのではと考えていたのが、この1本の量です。保険適応のある他の外用薬(例:ダラシンTゲル、アクアチムクリーム)は、10g包装です。
 DGは15gですので、一旦トラブルが起きても、昨今の経済状況もあり、つい長く使い続けてしまい、症状が悪化してしまう方が多いようです。

 『小さく生んで、大きく育てる』という言葉があります。海外では15gで販売されているため、国内でも同じにした様ですが、できれば5g、ダメでも10g入りで良かったのではないかと思います。
 5g入りであれば、診察により、保湿対策をアドバイスしやすいですし、副作用が出ても、一時的に他剤に変更し、改善後DGに戻すという方法が取りやすいのです。

★★★★★★★★★★★★★★[解説2]★★★★★★★★★★★終了★

 

・(その他 使用上の注意について)

1)前日に塗り忘れた場合でも、用法・用量どおり就寝前に使用して下さい。1日に2回塗ったり、1回に2回分を塗ったりしないで下さい。

2)指で塗ると指が乾燥します。塗った後は必ず手を洗って下さい。
 (綿棒で塗るのがいいかもしれません。)

・(乾燥対策について)

1)乾燥時期には、特に敏感肌の方や乾燥肌の方は、注意が必要と思われます。

2)乾燥などを防ぐためには、保湿力の高い化粧品などの使用が不可欠です。

3)化粧水や乳液などを使用して肌になじませた後、DGを塗ります。

4)当研究所の製品の場合、ローション→美容液→DGの順番です。

5)乾燥症状がでても3ヶ月塗り続けることが重要とのことです。『3ヶ月使用を継続するためには、乾燥対策が最大のカギ』と言っても過言ではありません。

6)DGを塗った後、メイクアップをする場合、DGを塗った後、5分程なじませて(=毛包に浸透させて)から、メイクする方法が勧められます。

★★★★★★★★★★★★★★[解説3]★★★★★★★★★★★開始★

 手前味噌なお話で、恐縮ですが、当研究所の製品をご愛用いただいているニキビ患者さんで、DGの併用で著効を示した方がいらっしゃいます。

 ビタミンC誘導体は、ニキビの原因になる過剰な皮脂の分泌を抑えます。更にニキビを悪化させる活性酸素も消去し、ニキビ後の色素沈着を防ぐため、ニキビがきれいに早く改善されます。
 しかし、『面皰』の形成を抑制する能力はありません。

 DGの『ニキビの根元を断つ』という『面皰』の形成の抑制能が、プラスされたことが、ニキビ改善に結びつき、更には、元々『保湿対策』に習熟していたために、DGの副作用もなく、良い結果が得られたのではないかと思います。

★★★★★★★★★★★★★★[解説3]★★★★★★★★★★★終了★

 DGの登場により、ニキビの保険治療の幅が広がりました。但し、この薬は『魔法のニキビ治療薬』ではありません。

 当研究所で提唱している、『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』を実行しつつ、DGを有力な武器の一つと考え、DGの特長を良く理解した上で、賢く使用することが大切です。

 今回のポイントは以下の通りです。

【今回の4決め!落ち穂拾い】 「落ち穂 その44」

『アダパレン(ディフェリンゲル)の使用経験について』

 
  • •ニキビの外用治療剤『アダパレン』、商品名『ディフェリンゲル0.1%』(以下DG)が保険適応となり、皮膚科でも処方可能となりました。
  •  
  • •ニキビでは、『微小面皰』から『閉鎖性面皰』へと進展し、『開放性面皰』を生じたり、さらに、炎症が起こり、『紅色丘疹(赤ニキビ)』や『膿疱』などの『炎症性皮疹』へと到ります。
  • •『DG』は、『面皰』の形成を抑制し、『炎症性皮疹』への進行を防ぐ、『ニキビの根元を断つ』薬です。
  • •『DG』には、副作用もあり、特長を良く理解した上で、慎重に使用することが大切です。
  • •副作用、特に乾燥症状は、他の外用剤と比べると多いです。
  • •特に、保湿の重要さを意識していない、中~高校生に多く、男女別では男子に悪化している方が多いようです。
  • •悪化すると、『白ニキビ』様の皮疹が多く認められます。保湿不足であると言えます。
  • •保険適応のある他の外用薬と比べて、1本15g包装と多く、一旦トラブルが起きても、つい長く使い続けてしまい、症状が悪化してしまう方が多いようです。
  •    
  • •当研究所の製品をご愛用いただいているニキビ患者さんで、『DG』の併用で著効を示した方がいらっしゃいます。
  •    
  • •『DG』の『ニキビの根元を断つ』という、『面皰』の形成の抑制能が、ニキビ改善に結びつき、更には、元々『保湿対策』に習熟していたために、『DG』の副作用もなく、良い結果が得られたようです。
  •    
  • •『DG』は『魔法のニキビ治療薬』ではありません。ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』を実行しつつ、『DG』を有力な武器の一つと考え、特長を良く理解し、賢く使用することが最も大切です。
   

 日が暮れるのも早くなり、北海道では既に秋風が吹いています。
 ディフェリンゲルの乾燥対策は、これからが本番です。ディフェリンゲルを使用して、現在少しずつ改善中の方はもちろん、コントロールがうまくいっている方も念入りな保湿対策をお願いします。
 次回は、日本皮膚科学会が推奨している「尋常性ざ瘡ガイドライン」についてお話しさせていただきます。
 それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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