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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2010年5月20日配信)

第69回 『ニキビと野菜を食べる工夫について』

 こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

 連休は近場でのんびりと過ごしました。

 連休最終日の昼間、ホテルの部屋で本を読んでいると、窓の外に人影が。ここは10階以上だからスパイダーマン?と一瞬思いましたが、外窓そうじの2人組さんでした。
 そういえば、事前にお知らせの紙がテーブルの上に置かれていました。外窓そうじに遭遇するのはなかなかできない経験です。

 そうじは手早く、2分程でささっと終了。そうじの後には、ひときわ、きれいな青空を眺めることができました。

 そうそう、何事にもメンテナンスは欠かせないですね。ニキビ改善には、日頃のお肌のメンテナンスが重要です。メンテナンスの対象は幅広く、食生活の工夫、改善も含まれます。  今回は特に、『野菜不足を補う工夫』について考えてみました。

 ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。  このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、自分自身が一歩でも前に進むつもりで、毎月お届けさせていただいています。

 とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。

 そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)

今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

 これは私が皮膚科診療を20年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

 ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。

 第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。

 前回は、『野菜ジュース』で野菜不足をカバーし、その他の食事を工夫することでニキビが改善することの大切さについて説明させていただきました。

 今回は、『ニキビと野菜を食べる工夫について』と題して、野菜を工夫して意識的に食べることにより食生活を改善させ、ニキビ改善につなげる道を探っていきたいと思います。

 野菜の摂り方には、大きく分けると、以下の3つがあります。

1)野菜ジュース
2)生野菜サラダ
3)煮物・炒め物などの野菜料理

 今回は、そのメリット、デメリットについて考えてみました。(http://www.kagome.co.jp/ を参考にさせていただきました。)

1)野菜ジュース(前回のコラムも参照下さい。)

『メリット』:
イ)濃縮しているため『かさ』が減り、たくさんの野菜が取れます。
ロ)『旬』に収穫した野菜を使用しているとされます。
ハ)栄養素の吸収が生よりよくなるものもあります。
  (例)リコピンは生トマトの16倍、βーカロテンは生ニンジンの5.5倍
ニ)いつでも、どこでも飲め、価格が安定しています。
  (例)コンビニ、スーパー、自販機でも手軽に100円位から購入できます。また、安売りの目玉商品の一つです。

『デメリット』:
イ)生に比べ食物繊維が少なめです。
  (例)トマトジュースの場合、生トマトと比べて約70%。搾る過程で、不溶性の食物繊維の一部がジュースから除かれ、加熱で、ジュースになじみやすい水溶性の食物繊維が残ります。
ロ)加熱によりビタミンCが減少します。

 一方、野菜サラダなどで食べる生野菜はどうでしょうか?

2)生野菜サラダ

『メリット』:
イ)シャリシャリ、パリッとした食感が楽しめます。
ロ)白、緑、赤、黄、紫など鮮やかな彩りが楽しめます。
ハ)生の栄養素が減りません。

『デメリット』:

イ)たくさん摂れません。
ロ)栄養素の吸収が良くないことがあります。
ハ)旬とは限らず、価格は高め。天候などの影響を受けます。
ニ)アクをとらなければなりません。(★)

(★)以前から疑問に思っていたアク。次の料理とも関係するので少し調べてみました。
 野菜の灰汁(アク)は、野菜の苦味やエグ味、シブ味、また切り口が黒くなったりするものです。このアクには、シュウ酸やアルカロイド,タンニンといった、時には体に害を及ぼす影響のある成分が含まれています。

『灰汁の種類と主成分』

味主な野菜主成分
えぐ味タケノコ、山菜、ほうれん草ホモゲンチジン酸、シュウ酸
渋 味渋柿、ジャガイモタンニン、ポリフェノール
苦 味大豆、フキ、きゅうり配糖体、アルカロイド、カルシウム、マグネシウム

『アクの除去対策』

 ほうれん草では、塩を使って水洗いをしたりします。ほうれん草の代表的な栄養素である葉酸、カリウム、ビタミンCは水溶性なので、水洗いをすると栄養分が流出します。
 ほうれん草のおひたしでは鰹節を乗せることで、灰汁を消すことができます。
 ほうれん草の灰汁を感じないで食べる方法として、和風ドレシング、ホワイトソース、マヨネーズなど油分の多い物をつけると食べやすくなります。
 その他、灰汁抜きの方法としては重曹があります

 最後に、野菜料理の場合はどうでしょうか?

3)煮物・炒め物などの野菜料理

『メリット』:
イ)たくさん摂れます。 ロ)様々な味付けを楽しめます。
ハ)栄養素の吸収が良くなります。

『デメリット』:
イ)加熱によりビタミンCが減少します。
ロ)調理に手間やコストがかかります。

 野菜料理は肉じゃがから、野菜スープ、中華料理等々に至るまで、本当に幅広いですね。食べるだけなら、個人的には何でも来いです。
 油で炒めたり、じっくり煮込んだり、料理するのは楽しいですね。食べてもらった人に感謝される喜びも格別なもの。余裕があれば、野菜は是非こちらで頂きたいものですね。

 でも仕事や学業などで、時間が取れない時は難しいもの。曜日ごとにメリハリをつけて、料理する日としない日を分ける、まとめて料理を作り冷凍庫を活用するのも良い方法ですね。

 野菜中心の総菜も、最近は本当にバラエティーに富んでいます。野菜料理を売りにしている飲食店もなかなか盛況です。

 野菜サラダは、コンビニ各社でも特色があり、「1日の半分野菜のサラダ」といって、300円程で、一日の半分量の野菜が摂れるサラダが売られています。
 お一人様の場合は、野菜スティック等も選択肢の一つと考え、様々なコンビニサラダをローテイトしてみるのも一つの手です。硝酸塩対策にもなります。

 メリット、デメリットを十分意識した上で、野菜サラダや野菜料理を組み合わせて食事を工夫しましょう。そして、野菜ジュースで不足分をカバーしてみましょう。きっと、ニキビ改善につながります。
 健康に生きて行く上でも大切なことですね。

今回のポイントは以下の通りです。

【今回の4決め!落ち穂拾い】 「落ち穂 その53」

『ニキビと野菜を食べる工夫について』

 
  • •野菜はビタミン、ミネラル、食物繊維を供給する大切な食品です。特に、緑黄色野菜はニキビに良いとされる、ビタミンCやビタミンB群、ビタミンAなどを豊富に含みます。
  • •厚生労働省は『健康日本21』の中で、1日の野菜摂取量の目標を350g以上としています。
  • •野菜の摂り方には、大きく分けると、以下の3つがあります。
      1)野菜ジュース
      2)生野菜のサラダ
      3)煮物・炒め物などの野菜料理
  • •それぞれにメリット、デメリットがあります。
  • •灰汁(アク)を取り除くのも、野菜摂取で注意したい所です。
  •  
  • •曜日ごとにメリハリをつけて、料理する日としない日を分ける、まとめて料理を作り冷凍庫を活用するのも良い方法です。
  •  
  • •バラエティーに富んだ野菜中心の総菜を食べたり、お酒が好きな方の場合は、野菜料理を売りにしている飲食店を利用する手もあります。
  •  
  • •野菜サラダには、コンビニ各社で特色があり、300円程で一日の半分量の野菜が摂れるサラダもあります。野菜スティックも選択肢の一つと考えて、コンビニサラダをローテイトすると硝酸塩対策にもなります。
  •  
  • •野菜サラダや野菜料理を組み合わせて食事を工夫し、野菜ジュースで不足分をカバーしてニキビが改善する。健康に生きて行く上でも大切なことですね。
 

 ゴールデンウィークもあっという間に終わり、もうすぐ6月。紫外線が強くなってきました。

 最近、当研究所の商品で引き合いが増えているのが、『日焼け止め』です。お蔭さまで、発売1年経過しました。お手頃価格ということもあり、2~3個まとめてご購入される会員の方もいらっしゃいます。ご家族皆さんでお使いになられているとのこと。ありがとうございます。

 温暖化かどうかは別にして、紫外線に気を遣われている方は、男女年齢問わず、年々増えています。
 ニキビは紫外線で悪化します。(第57回のコラム『ニキビと日焼け止めについて』をご覧下さい。)
 帽子や日傘の他、紫外線対策の一つに『日焼け止め』をお加え下さい。

 次回は『ニキビと果物』について考えてみたいと思います。

 それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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