コラム 「 とかちの窓から 」Column

第81回 『睡眠の新常識 ~起床編~ 陽が早く昇る季節 ちょっとした工夫ですっきり早起きを』
(2011年5月20日配信)

こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

 連休中にまとまった時間が取れたので、何か新しいことでも始めてみようかと考え、『英会話・英語』を勉強することに決めました。

 札幌の大型書店はどこも、関連書籍や教材が山積みで圧倒されました。三日坊主にならない程度に、基礎の確認に参考書を購入しました。

 大学院では、英文の医学雑誌を読み、英語で論文を書いていたものの、最近はすっかりサビついた状態でした。しばらくぶりの『英語』は新鮮です。昔の友人に再会した気分です。

 帰り道、16年振りに『I先生』にばったり出会いました。『I先生』は、私の大学の先輩で、『英語サークル』の部長さんでした。私は、もっぱら宴会にしか参加しない幽霊部員でしたが、このタイミングは驚きました。
 自宅に帰り、カギを開けようと見慣れたキーホルダーを取り出しました。その丈夫な革製のキーホルダーには『SANFRANCISCO』の刻印が。実はこれ、『I先生』のアメリカ留学のお土産です。
 『I先生』に、『今度はしっかり勉強しなさい』と激励されている様な気がしてきました。

 5月は、新緑の美しい季節です。陽も早く昇り、朝を有効に使って、ニキビ治療を進めるチャンスです。今まで試みていた治療も前向きな気持ちで取り組みやすくなります。

 ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。
 このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、自分自身が一歩でも前に進むつもりで、毎月お届けさせていただいています。

 とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。

 そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)

今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

 これは私が皮膚科診療を21年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

 ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。

 第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。

 前回は、規則正しい生活を送ってニキビ改善につなげるために必要な、『睡眠』について、最新の睡眠の新常識を踏まえた上で、『体内時計による生体リズムを守って朝すっきり起きる方法』についてお話しさせていただきました。
 今回は、私が実践・工夫している『生体リズムを守って朝すっきり起きる方法』の具体例について、お話しさせていただきます。

 以下に、前回お示しした、『生体リズムを守るための7ヶ条と実践のコツ』を再掲します。(大塚邦明著『100歳を可能にする時間医学』を改変) これは、私が資料をいろいろ集めていて、最重要と考えたものです。
 今回はこれを補足する形でお話しさせていただきます。

[1]朝の太陽を30分浴びましょう

  

 体内時計と地球の自転周期のズレをリセットするのに最も有効です。散歩をすると体を温める相乗効果が得られます。

(実践・工夫1)
 私は、カーテンを少し開けて寝ています。朝日が徐々に目に入り、自然な感じで起床することができます。
 [7]夜は暗く静かに休みましょう にある睡眠時の暗さが重要と矛盾しますが、田舎なので夜は外は暗く、カーテンはほんの少し開ける程度なため、問題なしと考えています。

(実践・工夫2)
 冬は、朝6時半でも暗いこともあり、つらい時には、タイマーで点灯し、少しずつ明るさを増す『National生体リズム光・めざましスタンド』という特殊なスタンドを使うこともあります。

(実践・工夫3)
 30分太陽を浴びるというのは、難しいかも知れません。裏技があります。朝コンビニに行くという方法です。コンビニでは特に明るい照明を使用しているそうで、朝、コンビニの明るい照明に当たると体内時計は同調します。
 但し、今後は節電やLED照明の採用などで難しくなるかも知れません。

[2]朝食は毎朝同じ時間にしましょう

 一定時間に取ることで、『腹時計』のリズムが整います。よくかむことでホルモンがよく分泌されます。

(実践・工夫4)
 朝、目覚めた時は、体温が低いエネルギー不足の状態です。朝食を食べると、体全体の代謝があがり、ブドウ糖の補給によって頭もスッキリします。
 私は朝食は必ず食べています。時間もほぼ一定です。発芽玄米、味噌汁、納豆、野菜サラダにオリーブオイルなどをいただいています。

 最近、被爆から身を守る食事が話題となっています。科学的には不明ながらも、自然醸造味噌、自然塩、ごま塩、玄米、玄米おむすび、味噌汁(具は、わかめ、かぼちゃなど)、わかめ、昆布、塩昆布、白砂糖・甘いもの、アルコールも摂らないことなどが上げられています。
 栄養のバランスを考えつつ、一応、参考にしています。

[3]昼間も光を浴びましょう

 昼間の太陽は、睡眠と覚醒のリズムをつかさどるホルモン『メラトニン』の分泌量を増やします。社会的な接触を持つことも大切です。

(実践・工夫5)
 帯広・十勝の日照時間は全国的にも長く、年間2000時間超です。
 皮膚科は自然光で皮膚の状態を見る事が大切です。診察室は南向きに設計し、UVカットガラス、ブラインド越しに、常に柔らかい光が差し込んでくれます。
 患者さんを診察しているだけで、社会的な接触を持ちつつ、達成できています。本当に有り難いことです。

 私が朝すっきり起きることができるのは、昼間の素晴らしい太陽の光のお蔭で、『メラトニン』の分泌量が維持されているためと考えています。

 第1回のコラムの一部を以下に引用します。

 私の診療所『とかち皮膚科』の窓には、毎朝明るい光が差し込み、「今日もがんばろう!」と勇気を与えてくれます。
 ニキビでお悩みの方には、このコラム【とかちの窓から】を通じて、ニキビ改善の一条の光明が差し込みますように、そんな願いを込めてコラムに名前をつけてみました。

 昼間も光を浴びる工夫としては、昼間はお弁当を公園で食べたり、オフィスから外に出る事ができない場合は、日当りの良い窓際で過ごす時間をつくるのも良いでしょう。

[4]早起き早寝を習慣づけましょう

 寝る時間が遅くなっても起床時間は早朝に固定させましょう。平日の睡眠不足はなるべくためないようにしましょう。

(実践・工夫6)
 平日はやはり睡眠不足になりがちです。ともかく疲れたり、眠気を感じたら、短時間でも仮眠をとります。平日は昼寝を5~15分程度します。
 診察後も仕事があるため、簡単・単純な仕事をまず片付け、能率を上げるため、その日の状況により仮眠をとり、重要な仕事にとりかかることもあります。

 昨年、ソファーを仮眠が取り易いものに変更しました。これは知合いの業者さんに頼んで制作してもらったものです。寝心地は最高で、最近では『睡魔クン』と愛称をつけて、毎日利用しています。  愛用の枕や毛布があれば、愛称をつけるのもリラックスできて良いと思います。

 それから、『仕事が不規則な方』に『まめ知識』です。前回のコラムの終わりに、

『夜勤やシフト勤務があるニキビでお悩みの方は、シフトをうまく読んで、まず睡眠時間を多めに取りましょう。早めに床に就くか、朝寝坊も2時間以内なら、体内時計への影響を最小限に抑えられるそうです』

と書きました。
 体内時計は元々24時間より長いものですが、朝起きた時に光を見て24時間にリセットしています。そのため、後にずれる方が適応しやすいそうです。
 不規則勤務の時は、後にずらす、遅くする方にシフトするのが良いそうです。

[5]朝食後はグレープフルーツをどうぞ

 香りが交感神経を刺激し、体を温かくします。

(実践・工夫7)
 グレープフルーツはスーパーで1個100円程で売られています。半分ずつ食べたとして1日50円・1ヶ月1500円と考えれば、手が届きます。カットしたものは、全体をラップで包めば、2~3日は冷蔵庫保管が可能です。
 私はカットフルーツやジュースも活用しています。

 芳香剤はどうでしょうか? 先日、百貨店の中を歩くと、爽やかなグレープフルーツの香りが。アロマや香水で、3000円程でかなり近いものが販売されています。

[6]時間を確認しましょう

 『今何時か』時計を確かめると、体内時計の分単位の微調整に役立ちます。

(実践・工夫8)
 早起きは、実は『気合い』です。『前の晩に明日は何時におきるぞ、と気合いを入れて寝ることがポイント』という先生も。
 (東京ベイ・浦安市川医療センター 神山潤センター長)

 朝にたっぷり分泌されるコルチコステロイドというホルモンは、 ACTHというホルモンによりその分泌が促されます。
 『明日の朝9時に起きる』と伝えられた人は、ACTHが9時に向かって増えたそうです。

 私は大事件が起きると、BSニュースを1時間おきにチェックします。睡眠をとりつつ、1時間に10分ずつチェックすることも可能です。

 例えば、
午前3時50分に起きて、ニュースをチェックし、午前4時に入眠
午前4時50分に起きて、ニュースをチェックし、午前5時に入眠
という具合です。
 但し、これは疲れるので、非常時限定にしています。

 また、最近は電波時計をデスクに置いて、体内時計の微調整に役立てています。

[7]夜は暗く静かに休みましょう

 就寝時は厚手のカーテンで騒音を避け、寝室を暗くします。

(実践・工夫9)
 (実践・工夫2)で、商品検索をしていたら、今は更に優れた商品が登場しているようです。私が使用しているものは、朝起きる時にしか使えないものですが、この商品は夜にライトが徐々に暗くなる機能がついています。
 興味がある方は『サンライズクロック』で検索してみて下さい。

 また、夜更かししてテレビやパソコン、携帯の画面を見ると、体内時計が日中だと勘違いします。(実践・工夫3)の逆で、夜に明るいコンビニへ行くのは避けましょう。

 

(実践・工夫10)
 最後に、目覚まし時計について。
 昔ながらの騒音型や必ず起きないとリセットできないものなど、本当に様々なものが売られています。
 私自身は、目覚まし時計は使用しませんが、家族が使っているもので素晴らしいメッセージが流れるものがありましたのでご紹介します。

 『おはよう。元気だよ。今日もハッピーな一日を過ごしてね。』
 『おはよう。元気だよ。今日もハッピーな一日を過ごしてね。』

 このプラスの言葉を集めた、メッセージを考えた人は、本当に素晴らしいと思います。

 ちょっと長くなりましたが、全力でまとめました。試しに一つ実践することで、あなたも(早寝)早起き名人になれます。

 早寝早起きが習慣になると『体内時計』と『皮膚の子時計』のリズムがかみ合って、皮膚のターンオーバーも安定します。『ニキビ改善』につながること間違いなしです。

 今回のポイントは以下の通りです。

 

【今回の4決め!落ち穂拾い】 「落ち穂 その65」

『睡眠の新常識 ~起床編~
陽が早く昇る季節 ちょっとした工夫ですっきり早起きを』

 
  • •私が実践・工夫している『生体リズムを守って朝すっきり起きる方法』の具体例について、お話しさせていただきます。
  •  
  • •以下の『生体リズムを守るための7ヶ条と実践のコツ』(大塚邦明著『100歳を可能にする時間医学』を改変)は最重要。あなたも早寝早起き名人になれます。
  •  
  • •[1]~[7]に(実践・工夫)を入れて、補足・解説しました。
  •  
  • •[1]朝の太陽を30分浴びましょう
  • (実践・工夫1) 
      私は、カーテンを少し開けて寝ています。朝日が徐々に目に入り、自然な感じで起床することができます。
  •  
  • (実践・工夫2)
    冬は、朝6時半でも暗いこともあり、つらい時には、タイマーで点灯し、少しずつ明るさを増す『National生体リズム光・めざましスタンド』を使用します。
  • (実践・工夫3)
     朝コンビニに行くという裏技があります。朝コンビニの明るい照明に当たると体内時計は同調します。
  • •[2]朝食は毎朝同じ時間にしましょう
  • (実践・工夫4)
     朝、目覚めた時は、体温が低いエネルギー不足の状態。朝食を食べると、体全体の代謝があがり、ブドウ糖の補給によって頭もスッキリします。
     朝食は必ず食べ、時間もほぼ一定です。発芽玄米、味噌汁、納豆、野菜サラダにオリーブオイルなどをいただいています。
     最近、被爆から身を守る食事が話題となっています。栄養のバランスを考えつつ、一応、参考にしています。
  •  
  • •[3]昼間も光を浴びましょう
  • (実践・工夫5)
     診察室は南向きに設計し、UVカットガラス、ブラインド越しに、常に柔らかい光が差し込んでくれます。診察しているだけで、『メラトニン』も十分得られます。
       本コラム【とかちの窓から】は、この診察室からニキビ改善の一条の光明が差し込みますようにとの願いを込めて名付けました。
     昼間はお弁当を公園で食べたり、オフィス内の場合は、日当りの良い窓際で過ごす時間をつくる方法もおすすめです。
  •  
  • •[4]早起き早寝を習慣づけましょう
  • (実践・工夫6)
     平日は睡眠不足になりがち。ともかく疲れたり、眠気を感じたら、短時間でも仮眠をとります。平日は昼寝を5~15分程度します。
     診察後は、その日の状況により仮眠をとり、重要な仕事にとりかかります。
     睡眠グッズに『睡魔クン』などと愛称をつけると、リラックスできます。
     体内時計は元々24時間より長く、朝起きた時に光を見て24時間にリセットします。そのため、後にずれる方が適応しやすく、不規則勤務の時は、後にずらす、遅くする方にシフトするのが良いです。
  •  
  • •[5]朝食後はグレープフルーツをどうぞ
  • (実践・工夫7)
     グレープフルーツは、半分ずつ食べたとして1日50円、1ヶ月1500円で手が届きます。私はカットフルーツやジュースも活用しています。
     アロマや香水で、3000円程でかなり近い香りのものがあります。
  •  
  • •[6]時間を確認しましょう
  • (実践・工夫8)
     早起きは、実は『気合い』です。『前の晩に明日は何時におきるぞ、と気合いを入れて寝ることがポイント』という先生も。
    (東京ベイ・浦安市川医療センター 神山潤センター長)
     電波時計は体内時計の微調整に役立ちます。
  •   
  • •[7]夜は暗く静かに休みましょう
  • (実践・工夫9)
     朝起きる時にライトが徐々に明るくなる機能に加え、夜にライトが徐々に暗くなる機能がついている『サンライズクロック』という商品があります。
     夜更かししてテレビやパソコン、携帯の画面を見たり、夜に明るいコンビニへ行くのは避けましょう。
  •  
  • (実践・工夫10)
     素晴らしいメッセージが流れる目覚まし時計がありました。
    『おはよう。元気だよ。今日もハッピーな一日を過ごしてね。』
    『おはよう。元気だよ。今日もハッピーな一日を過ごしてね。』
  •  
  • •早寝早起きが習慣になると『体内時計』と『皮膚の子時計』のリズムがかみ合って、皮膚のターンオーバーも安定して、『ニキビ改善』につながります。
 

 世の中も少しずつ落ち着いてきました。私も連休中は少し仕事を離れ、普通の生活を送る幸せを実感できました。
 でも、まだまだ油断は禁物ですね。
 私も身の回りの様々なチェックをもう一度行うことに決めました。

 次回は、震災後、ストレスでニキビが悪化している患者さんが目立つため、ストレス解消法などについて考えたいと思います。

それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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