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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2011年10月20日配信)

第86回 『ニキビとタバコについて~禁煙のために 私の経験から~』

 こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

 『大石さん、10月28日の話し、知ってます?』 行きつけの床屋さんの店長が、カットの仕上げに入った時、私に尋ねてきました。(以下でこんなやりとりがありました。)

(私)『世界が滅亡するかも知れないという、マヤ暦関係のネタですか?』

(店長)『そうそう。ウチの娘がそれでは困るっていうんですよ。』

(私)『そうなったら誰でも困る話しですけど。何で?』

(店長)『ウチの娘の誕生日は10月28日なんで、プレゼントがもらえなくなるっていうんですよ。名前は大石さんの所にお邪魔したことがあるから知っていると思うんですけど、ーーマヤなんです!』

(私)『エッ!凄い偶然!!』

(店長)『何気なく付けた名前なんですけど。偶然ですね!エヘヘ!』

そのときの元ヤンチャな店長のしたり顔。とっても記憶に残っています。

 個人的には、多少のアクシデントはあっても、何とか28日を通過して、普通の生活が送れるようにと祈っています。
 マヤちゃんも、茶目っ気たっぷりのお父さんから誕生日プレゼントをもらえると信じています。

 そうそう。最近の日めくりカレンダーにこんな金言がありました。

      『運命のなかに偶然はない』
(ウイルソン 1856~1924 アメリカの政治家)

 偶然も重なれば、必然になります。偶然このメルマガを読んでいただいている読者の方にも、毎月継続する事で、必然的な存在になれるよう、まだまだ頑張りたいと思っています。

 ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。  このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、自分自身が一歩でも前に進むつもりで、毎月お届けさせていただいています。

 とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。

 そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)

今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

 これは私が皮膚科診療を21年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

 ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。

 第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。

 前回は、ニキビとタバコのもたらす悪影響について考えてみました。
 今回、タバコの禁煙法・減量法を考えるにあたり、私は自分なりに以下の2つに絞って考えることにしました。

(1)私が経験したタバコが人生を変えた例

(2)タバコに実はメリットはなかった

 タバコの禁煙法・減量法等は星の数程あり、現在では禁煙外来で治療を受けたり、ニコチンパッチが市販されるようになってきているためです。

 他人(45歳の若輩者の私)の拙い経験ですが、この経験から学べることは意外と多いのではないかと考え、敢えて取り上げさせていただくことにしました。

 私の45年の人生の中で起きたことを『タバコ』という面から年代順に考えていきたいと思います。

 少し長くなりますので、今回は (1)についてのみお話しさせていただきます。

イ)15歳~18歳 大学入学前まで (昭和59年3月まで)

 実は私はタバコを1本も吸ったことがありません。吸ったことのない人にはわからないだろうという意見もあると思います。しかし、吸っていないだけに冷静にタバコの害をみつめることができることも事実です。

 なぜ、吸わなかったか?
 家族が吸わなかったことがまず大きいです。きっかけとなりやすい中学・高校時代にお小遣いの全てを自分の好きな音楽やオーディオに費やしていたこともあげられます。

 医学部進学を考えたのは、中学時代。もう30年前以上前のことです。普通のサラリーマン家庭に育った私は、メンタルブロックがかかり、自分は医師になれないのではないかといつも思っていました。それを解消すべく、医療関係の本を少しづつ読むようになりました。医師・医学の姿を少しでも知りたかったのです。

 高校時代に読んだのが、『癌回廊の朝 上・下巻』(柳田邦男 著)という本でした。

 当時、既にタバコの有害性については、十分証明・説明されており、この本の下巻にはタバコと肺癌の関係等について書かれています。昭和39年1月の段階で、タバコの有害性が医学関係者の間で既に話題になっていたことが記述されています。

 私は医師になるのだから、タバコは絶対吸わないと心に決めました。

ロ)18歳~24歳 大学時代 (平成2年3月まで)

 医大に入学して、気づいたのがタバコを吸う人の多さでした。医師になるのに自覚が足りないのでは?と内心思っていました。でも、次回にお話しする予定の (2)との関係で、周りに抗うことは特にありませんでした。

 男子学生の4割以上、女子学生でも2~3割が吸っていました。男子学生は予備校時代に吸い出す人が多いようでした。女子学生は飲み会の時に吸っているのを見てびっくりしました。運動系のサークルに所属していた人が特に多いようでした。

 また、高校の後輩の女子学生が、学生ロビーで革ジャンを着て、タバコを堂々と吸っているのを目撃し、時代が変わったなと思ったのもこの頃です。

 以下の ハ)の時代も含め、タバコのCMが JT・外資系問わずガンガン流れ、テレビドラマでもおしゃれなアイテムの一つとしてタバコが扱われていました。

ハ)24歳~28歳 皮膚科入局・大学院時代 (平成6年3月まで)

 医師となり、皮膚癌(特にメラノーマ)等の研究をしたくて、母校の大学の皮膚科に入局し、同時に大学院にも入学しました。
 皮膚科はタバコを吸う医師が特に多く、男性医師では教授、助教授2人を含め、5割以上が喫煙者でした。他の医局では、禁煙としている所もあったようですが、それでも平均すると3割位の医師が喫煙者であったと思います。

 私が大学院修了までお世話になったT教授は、気さくで優しい先生でした。私が入局を決めたのは、教授の人柄によるところが大きかったです。

 タバコがお好きで、咳き込むことが良くあり心配していました。大学院4年の時に、体調を崩し入院され、翌年の夏に逝去されました。

 学位論文の最終審査の際(平成6年2月)には、入院中のT教授を車椅子で、審査会場にお連れしました。大学本部の玄関の階段3段を車椅子で上れず、T教授の手を引いて何とか上った事を良く憶えています。

『大石君悪いな。論文は英文雑誌掲載で問題なし。審査はしっかり通してやるからな』と言っていただいたT教授のお言葉を忘れる事はありません。

 タバコが直接の死因ではありませんでしたが、タバコの恐ろしさをこの時程感じたことはありません。

ニ)29歳~現在まで

 大学院修了後は、大学に残って研究や留学も考えましたが、教授選を前に医局の雰囲気も悪化して、大学を去る事にしました。

 平成7年7月からは院長が死亡後、空席となっていた皮膚科診療所で勤務することになりました。伝え聞いた所では、亡くなった院長もタバコがお好きだったそうです。

 平成9年3月には郷里の十勝で開業しました。

 話しは前後しますが、この頃から、同級生や先輩の急逝が相次ぎました。
 肺癌が死因ということは少ないものの、冷静に振り返ってみると、ほとんど全員タバコを吸っていたのが共通していました。

 更には、教授戦後、大学を離れたH助教授も逝去されました。ヘビースモーカーでした。

 ここ数年では、地元医師会で大変お世話になった先生が、癌で逝去されたのが、個人的には大変ショックでした。タバコとお酒がお好きな豪放磊落、面倒見の良い先生でした。

 毎年12月に皮膚科医局の忘年会(OB会)が開かれます。ここ数年の間に気づくようになったのが、年齢不詳な先輩OBの存在です。
 男性限定での話しになりますが、肌もつやつや元気で妙に若く ハ)の時代と全く変わりません。頭髪が後退気味な先生もいらっしゃいますが、これはすごいです。

 一方、かなり老けたなと思う先生達も多数いらっしゃいます。咳払いをしたり、高血圧などで通院しているとお話しされます。

 前者と後者をはっきり分けたもの。何でしょうか?

 それはタバコです。年齢不詳な先輩OB達は全員ノンスモーカーなのです。

『おーい大石。ちょっとちょっと。紹介するよ。今度入局のこの先生、大石の高校の後輩だっていうんでしょ。しかもお父さんは、大石が高校の時に世界史の先生だったんだってさ』
と気さくで元気、年齢不詳のM先生から早速お呼びがかかりました。

『エッ!マジですか?高校の時、世界史のS先生は有名人でしたよ。その娘さんが後輩ですか? 長生きはするもんですねー』と私。

 私は今後も、タバコと無縁な生活を送っていきたいと思います。

 タバコによるニキビの悪化について再掲します。ニキビにとって、タバコはやっぱりタブーですね。

1)タバコは皮膚の毛細血管を収縮させ血流を悪くします

2)タバコは体内のビタミンCを消耗し、ストレスに弱い体になります

3)タバコは活性酸素を大量に発生させます

 こうして振り返ると、私の人生はタバコに大きく左右されてきたといっても過言ではないと思います。

 ニキビくらいならいいじゃないと軽く考えずに、予防の観点からも、また今の健康を維持するためにも、タバコは吸わないのが一番です。

 45歳となった今、私は本当に心底思います。私の拙い経験が、禁煙のきっかけに少しでもなれば最高です。

今回のポイントは以下の通りです。

 

【今回の4決め!落ち穂拾い】 「落ち穂 その70」

『ニキビとタバコについて~禁煙のために 私の経験から~』

 
  • •ニキビに悪影響を与えるタバコ。禁煙法・減量法を自分なりに以下の2つに絞って考えることにしました。

    (1)私が経験したタバコが人生を変えた例

    (2)タバコに実はメリットはなかった
  •  
  • •今回は(1)を年代順に追ってみました。
  •  
  • •イ)15歳~18歳 大学入学前まで (昭和59年3月まで)

    高校時代に『癌回廊の朝 上・下巻』(柳田邦男 著)を読み、タバコは絶対吸わないと心に決めました。
  •  
  • •ロ)18歳~24歳 大学時代 (平成2年3月まで)

    医大に入学して、タバコを吸う人が多くて驚きました。男子学生の4割以上、女子学生でも2~3割が吸っていました。
  • ハ)の時代も含め、タバコのCMが JT・外資系問わずガンガン流れ、テレビドラマでもおしゃれなアイテムの一つとしてタバコが扱われていました。
  • •ハ)24歳~28歳 皮膚科入局・大学院時代 (平成6年3月まで)

    母校の大学の皮膚科に入局し、同時に大学院にも入学しました。皮膚科はタバコを吸う医師が特に多く、男性医師では教授、助教授2人を含め、5割以上が喫煙者。他の医局では、平均すると3割位の医師が喫煙者でした。

    大学院修了までお世話になった、気さくで優しかったT教授。タバコがお好きで、咳き込むことが良くありました。大学院4年の時に、体調を崩し入院され、翌年の夏に逝去。
    タバコの恐ろしさをこの時程感じたことはありません。
  •  
  • •ニ)29歳~現在まで

    教授選を前に医局の雰囲気が悪化して、大学を去りました。

    平成7年7月からは院長が死亡後、空席となっていた皮膚科診療所で勤務。亡くなった院長も愛煙家のようでした。

    平成9年3月に郷里の十勝で開業。この頃から、同級生や先輩の急逝が相次ぎました。肺癌が死因は少ないものの、全員タバコを吸っていたのが共通点。教授戦後、大学を離れたヘビースモーカーのH助教授も逝去。

    最近では、地元医師会で大変お世話になった先生が、癌で逝去。タバコとお酒がお好きな豪放磊落、面倒見の良い先生でした。

    皮膚科医局の忘年会(OB会)に毎年出席して、年齢不詳な先輩OBの存在に気づきました。肌もつやつや元気で妙に若く ハ)の時代と全く変わらず驚きます。
    年齢不詳な先輩OB達は全員ノンスモーカーです。
  •  
  • •私の人生はタバコに大きく左右されてきました。
  •  
  • •私の拙い経験が、禁煙のきっかけに少しでもなれば最高です。
  •  
  • •次回で、(2)タバコに実はメリットはなかった について考えます。

 今回はタバコと自分の人生という観点からお話しさせていただきました。正直言って、大変重いテーマでした。

 気分転換に愛読している 『週刊文春』(10月13日号)をめくると、偶然とは思えないインタビュー記事が掲載されていました。

     「想定外」ではなく、
     「想定しないことにしよう」としていただけなんです。

             ノンフィクション作家  柳田邦男 

          (阿川佐和子のこの人に会いたい 第894回)

こっこれは!!私が高校時代に読んだ『癌回廊の朝』の著者で、現在は福島第一原発の事故調査・検証委員をされている、柳田邦男氏です。

 手元にある『癌回廊の朝』は昭和56年7月20日第2刷発行。約30年振りの再会は、私に放射性物質にも十分注意しなさいと警告を与えてくれているかのようでした。

 次回は、(2)タバコに実はメリットはなかった についてお話しさせていただきます。

 それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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