コラム 「 とかちの窓から 」Column

第91回 『ニキビと髪型について~女性は長い髪を気にしない鈍感力がある~
(2012年3月20日配信)

 こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

 お蔭さまで、この3月3日でとかち皮膚科は開院15周年を迎えました。私を支えてくれている多くの方々のお蔭で、ここまで来る事が出来ました。本当に感謝しています。

 昨年は、この開院記念日にちょっと驚く出来事がありました。
(詳しくは 79回のコラムを参考にして下さい。)

 今年も、中学時代の恩師がたまたま受診されたり、開業時に働いていただいていた看護師さんが、退職後出産された中学生のお子さんをつれて受診されたり、嬉しい出来事が重なりました。
 これからも1日1日を大切にして、診療・勉強に励み、『ニキビ改善への道』を極めるべく、日々精進したいと思います。

 ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。
 このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、自分自身が一歩でも前に進むつもりで、毎月お届けさせていただいています

 とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。

 そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)

今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

 これは私が皮膚科診療を21年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

 ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。

 第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。

 前回は、『お酒』との付き合い方、特に『女性と飲酒』について、『アルコール依存症』に注意が必要と考えお話しさせていただきました。
 今回は、ニキビ悪化と大きく関係のある髪型について、しばらく振りに、視点を変えて取り上げたいと思います。(髪型については、第4、5、17回で取り上げています。)

 ニキビ患者さんで多い髪型は共通しています。
 前髪を垂らしたヘアスタイルやちょっと古いですがハセキョウ(女優の長谷川京子さん)型の髪が頬に一部かかる髪型です。しかも髪でニキビを隠している方がほとんどです。

 これらの髪型がなぜ問題かというと、髪が顔にかかっている場合、髪の毛があたることが刺激となり(機械的刺激といいます)、治療効果があがりにくいためです。

 私がニキビの患者さんを診察する場合、まず最初に見るのは顔・首です。そして、同時に髪型も必ずチェックしています。
 初診時には髪型について説明し、改善した方が良い患者さんには指摘しカルテに記載します。男性の場合は約半数が髪を短くするなど手を打ちます。
 ところが女性の場合、なかなか受け入れていただけません。

 経過の長い患者さんでは、私の心が折れてしまい、髪型について注意するのをあきらめてしまうこともあります。

 最近まで、これは女性が髪型を変えることに強い抵抗があるためとか、額を出すことが女性にはとても恥ずかしいことであるとの刷り込みがあるためかなと考えていました。

 2ヶ月程前、ある雑誌の連載を読んで、長年の疑問が氷解しました。またまた、渡辺淳一先生の登場です。

 『女性は髪の毛が長いことが平気である』 言い換えると
『髪の毛が長いことによるトラブルに対して耐えられる鈍感力がある』
『長い髪を気にしない鈍感力がある』
というのが、渡辺先生の主張です。(鈍感力については、第56回で取り上げています。)

(鈍感力とは?:
 作家・渡辺淳一の著書『鈍感力』(集英社)によって流行語となったことば。
 従来は相手の心を重んじる繊細な心ということが社会的に要求され、逆に相手の心を考えないで行動するような鈍感な心は社会から排除されると思われていた。しかし渡辺はそれを否定して、「鈍感さ」を正面に押し出している。
 小さなことにあくせくしないで、ゆったりと生きているほうが集団の中で最後に勝ち残ることができるというのである。
  Yahoo!辞書-鈍感力 より )

 ちょっとしたニュアンスの違いで誤解を招く恐れがあります。以下で渡辺先生がお書きになった、
  週刊新潮2012年2月2日号 あとの祭り
  『弱きもの汝の名は』54・55ページを
全面的に引用させていただき、私の考察を進めていくことにしました。

 長くなりますので、今回は『 ニキビと髪型について日々苦悩する短髪の中年男性皮膚科医の本音トーク 』と軽く考えてお読み下さい。
 ちょっと反発される読者の方も多いとは思いますが、ニキビ改善の小さなヒントになれば幸いです。次回では、私が新たに考えた髪型の改善方法についてお話しします。

 それでは、引用を開始させていただきます。

『 男性の敏感なのに比べて、女性は鈍感である。
  こういうと、不愉快に思う女性もいるかもしれないが、
 そのわかりやすい例が、女の人の長い髪の毛。
  現在、ほとんどの女性は、当然のように長い髪を保っているが、
 それに比べて男性の髪の毛は、きわめて短い。もちろん、
 最近は髪を長くしている男性もかなり増えてきたが、
 それでもごく一部。しかもその髪の長さは、
 女性のそれとは比較にならぬほど短い。
  これは何故なのか。 』(以上引用)

(私)皮膚科で毎日、患者さんの髪の毛について悪戦苦闘しているのに、こんなことまでは考えていなかった。どうしてだろう? さすが母校の大先輩、渡辺先生。質問力がすごい!!

『 はっきりいって、男性は長い髪をぶら下げていられないのである。
  理由は簡単。もし女性ほど長い髪をぶら下げていたら、苛々して、
  落ち着かないからである。』(以上引用)

(私)おっと、痛い所をつかれた。確かに私に長い髪は絶対無理。そういえば、この間、床屋さんに行ったら、震災後は不況もあってかお客さんの来店間隔がのびたと聞いた。
 一人例外がいて、私だけが来店間隔が短くなったといわれた。意識していなかったけど、震災のストレスを和らげるために、頭だけでもスッキリさせようと、3週間に一度程度だったのを2週間に1回にしたんだ。性格は短気で単純。鈍感力ないな。

『 それに比べて、女性があれほど長い髪を平然とぶら下げて
 いられるのは、ある意味、鈍感だからである。
  髪を長くすると1本1本が乱れたり、ときに抜け落ちたり、
 さらには根本が痛くなったり、さまざまなトラブルが生じると
 思われるが、それをのりこえて平然としていられるのは、
 いい意味での鈍感さによって耐えられるからである。』(以上引用)

(私)なるほど。鋭い。こんな考えがあるとは思わなかった。男女で本質的な差がある訳だからこれを乗りこえるのは大変だ。髪の毛1本1本の乱れまで指摘するのもさすが。髪に毛1本が刺激となってニキビやかぶれが改善しない女性患者さんも多いなあ。先生は女性のことを本当に良く観察されていらっしゃる。
 私は、髪が額にかかっていて治らないと何度も強く訴える女性のニキビ患者さんには、髪の毛1本を切って、胸に入れてみたらどうですかと指導している。
 かゆくて我慢できないでしょ。だから少し切ってみましょうよ。といっても、聞き入れてくれるのは、せいぜい2割。中学や高校生はまだ良い方。
 アラフォー・アラサー世代の患者さんには、顔を真っ赤にして反論されることも多いなあ。心が折れます。もう寝ようかな。

『 とくにかつての明治や江戸時代から、平安時代までさかのぼったら、
 女性の髪の毛の長さは、まさに異様としかいいようがない。
  それを平然と保ち、なお健康を保っている女性の鈍感さは、まさに
 尋常とは思えない。』(以上引用)

(私)そうそう。平安時代の髪の毛は、文化といってしまえばそれまでだけど、変だなと思ってました。香を焚くなどして臭いをごまかしていたようだけど、そんな時代を生きぬいた女性はすごすぎ。女性は強い!!

『 もしあれを男性に強いたら、ほとんどの男性は髪の長さに苛立ち、  発狂するに違いない。』(以上引用)

(私)はい。発狂します。男性でちょっと怖そうな人は短髪が多いし、ゲイの人でもそうだ。これは、鈍感力のない男の弱さの裏返しなのかもしれないな。

(中略)

『 かくして「暢んびりして、おおらか」という形容詞は
 女性に与えられた誉め言葉でもある。
  実際、このような鈍感力がなければ、子供は産めないし、
 産んだあとも、絶えず泣いたり動き廻る赤ん坊と一緒に眠ることも
 できなくなる。
  こうした女の素晴らしき鈍感さに対する、男のか弱き敏感さ。
 これが本当の意味での男と女の生理の原点なのである。』(引用終了)

(私)まさしくその通りです。女性は強いです。小学校4、5年の時、徒党を組んで男子に対抗する女子の姿をみてから、男は実は弱いのではないかと内心思っていました。
 最近では特に本心からそう思います。男性と女性の髪型に本質的な違いがあるのは、良くわかりました。その違いを乗りこえて、髪型を変えてもらう良い方法はないかな?

 あるコマーシャルを見て、私はひらめきました。女性のニキビ患者さんに髪型を変えてもらえるよう説得するのはこの手で行こう!!

 今回のポイントは以下の通りです。

 

【今回の4決め!落ち穂拾い】 「落ち穂 その75」

『ニキビと髪型について
~女性は長い髪を気にしない鈍感力がある~』

 
  • •ニキビ患者さんで多い髪型は共通しています。前髪を垂らしたヘアスタイルや髪が頬に一部かかる髪型です。しかも髪でニキビを隠している方がほとんどです。
  •  
  • •髪が顔にかかっている場合、髪の毛があたることが刺激となり(機械的刺激といいます)、ニキビの治療効果があがりにくくなります。
  •  
  • •ニキビの患者さんを診察する場合、髪型を必ずチェックします。初診時には髪型について説明し、改善した方が良い患者さんには指摘します。
  •  
  • •男性の場合は半数が髪を短くするなど手を打ちます。ところが女性の場合、なかなか受け入れていただけません。
  •  
  • •これは女性が髪型を変えることに強い抵抗があるためとか額を出すことは女にとってとっても恥ずかしいことであるとの刷り込みがあるためかなと考えていました。
  •  
  • •最近、渡辺淳一先生の『女性は長い髪を気にしない鈍感力がある』という雑誌の連載を読み、長年の疑問が氷解しました。
  •  
  • •『ニキビと髪型について日々苦悩する短髪の中年男性皮膚科医の本音トーク』を、上記連載を引用して展開してみました。
  • •ニキビ改善のための小さなヒントとなれば幸いです。
  

 3月になって当地もさすがに春らしくなってきました。駐車場の雪山もずいぶん低くなってきました。日差しも柔らかくなってきました。春はうれしい季節です。

 今回の本音トーク。ちょっと過激だったかもしれません。ニキビ改善のヒントに少しでもなれば幸いです。
 次回は、私が最近思いついた、髪型を変えてニキビを改善させる方法について考えたいと思います。

 それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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