コラム 「 とかちの窓から 」Column

第99回 『コーヒーとニキビについて(3)  ~コーヒーポリフェノールの  活性酸素除去効果でニキビ改善!~ 』
(2012年11月20日配信)

 こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

 今年の明るい話題。
 京都大iPS細胞研究所の山中伸弥教授のノーベル医学生理学賞受賞が一番でしょう。本当に素晴らしいことです。

 テレビの会見を見て、私が驚いたのが、山中教授の『京都大iPS細胞研究所の高橋和利京都大学講師の存在がなければ、夢のiPS細胞は生まれていなかった』という言葉でした。
 先見性のあるリーダーとそれを支える優秀なパートナー。山中教授は高橋講師の多大なる貢献を讃え、高橋講師は尊敬と感謝の言葉を忘れません。
 心温まるとっても良いお話しですね。

 ノーベル賞受賞のきっかけとなった論文(#)は、大論文にも関わらず、論文の著者として記されていた名前がこの2人だけだったそうです。(このような膨大な報告には多数の共同著者が名前を連ねるのが、学会の常識です。)

(#)

Cell. 2006 Aug 25;126(4):663-76. Epub 2006 Aug 10.
Induction of pluripotent stem cells from mouse embryonic and adult fibroblast cultures by defined factors.
Takahashi K, Yamanaka S.

 そうそう、なにかしようする時にパートナーの存在は大切ですね。『ニキビ改善のパートナー』には、かかりつけの皮膚科の先生や、何かと相談に乗ってくれる友人、愛用のニキビ対策グッズなどがあるでしょう。
 『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。このメルマガが、月に1度必ず届く、『ニキビ改善の良きパートナー』になれば幸いです。

 ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。

 このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、自分自身が一歩でも前に進むつもりで、毎月お届けさせていただいています。

 とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。

 そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)

今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

 これは私が皮膚科診療を22年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

 ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。

 第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。

 前回は、最近、新たな効能・効果が話題になっている『コーヒー』について、
イ)コーヒーに含まれるカフェイン
ロ)コーヒーに入れるコーヒーミルク類(代表:◯ジャー◯など)
とニキビの関係についてお話しさせていただきました。

 今回は、コーヒーの最大の効能・効果を発揮させる成分と考えられるコーヒーポリフェノール(クロロゲン酸類)とニキビの関係についてお話しさせていただきます。

 いろいろ調べてみましたが、コーヒーポリフェノール(クロロゲン酸類)がニキビを改善するという確かな証拠やエビデンスはありませんでした。
 しかし、コーヒーポリフェノールがニキビを改善する有力なメカニズムの一つを推測することができました。

 10月15日のNHKの情報番組『あさイチ』では、『もう一杯飲みたくなる!女性のためのコーヒー学』と題して特集を組んでいました。
 番組では『コーヒーポリフェノールがシミを予防』と、コーヒーに含まれるポリフェノールがシミの予防になるメカニズムが紹介されていました。

 これは、第97回のコラムでも紹介した、お茶の水女子大大学院の近藤和雄教授(臨床栄養学)の調査によるものでした。
 また、その内容はネスレのホームページ(http://nestle.jp/faq/polyphenol/index.html)のまとめ 7)で取り上げていたものと同じです。
 7)成人女性を対象に行った調査では、コーヒーポリフェノール摂取量が多いほど、紫外線によるシミが少ないという結果が得られています。

 近藤教授は、女性の『シミ』と『コーヒー』の関係について調べました。
 30~60歳の女性131人を対象に、特殊な器械を用いてシミの量を測定し、コーヒーを飲む量で違いがあるかをチェックしました。
 その結果、『コーヒーを飲む人ほどシミの量が少ない』ことを実験で証明しました。

 以下で、近藤教授が提唱するメカニズムを示します。

 紫外線が当たると、体内では『活性酸素』が発生します。この『活性酸素』が、細胞を傷つけることがあるため、それを防ごうと皮膚ではメラニン色素が生み出されます。
 これで皮膚は守られますが、メラニン色素が沈着してとシミになります。

 ところが、『コーヒーポリフェノール』がとりこまれていれば、その働きによって『活性酸素』が取り除かれ、メラニン色素が作られることはなくなります。  その結果、シミの予防になると考えられるのです。

 『活性酸素』と『ニキビ』には関係があります。これに『コーヒーポリフェノール』の効果をからめて考えてみたのが、以下のメカニズムです。これはあくまで私が推測するメカニズムです。

 『活性酸素』は、非常に活動性が高く、周囲にある様々なものと反応を起こしやすいという性質があります。そして、『活性酸素』は『ニキビ』の発症から進行、『ニキビ跡』の形成にまで関わっていることが明らかになってきています。

 『ニキビ』はまず、毛穴に詰まった皮脂が酸化することで発生します。そして、『ニキビ』の原因となる皮脂の酸化を行っているのが『活性酸素』です。
 『活性酸素』は皮脂を酸化することで『ニキビ』を作り、炎症を悪化させます。

 ところが、『コーヒーポリフェノール』がとりこまれていれば、その働きによって『活性酸素』が取り除かれ、『ニキビ』の原因となる皮脂の酸化が起りにくくなります。その結果、『ニキビ』ができにくくなり、炎症の悪化も止まるはずです。

 『コーヒーポリフェノールの活性酸素除去効果でニキビ改善!』という訳です。

 以上は、私の推論で、実験データはありませんが、実際のメカニズムの少なくとも一つの有力な候補だと思います。

 ニキビにコーヒーポリフェノールが有効なことが推測できました。では、多く摂るにはどうすれば良いでしょうか?

 コーヒーポリフェノールは、特に焙煎していないコーヒー豆(生豆、きまめ)に豊富に含まれます。コーヒーポリフェノールは熱に弱い性質があります。コーヒー豆は浅煎りのものが良いそうです。但し、酸味が強くなるようです。

 また、最近こんな製品も販売されています。  ネスレ日本が新発売した、コーヒー生豆を使った新飲料『生豆茶』です。無糖で、コーヒーポリフェノールを同社の従来のコーヒー飲料の約2倍含んでいるのが特徴です。
 340ミリリットルサイズ(147円)、900ミリリットルサイズ(348円)で全国で発売されているとのこと。
 コーヒーがちょっと苦手という方には、良いかもしれませんね。

 毎日のコーヒーでニキビ改善。ニキビ改善のパートナーは身近なところにいました。

今回のポイントは以下の通りです。

 

【今回の4決め!落ち穂拾い】 「落ち穂 その83」

『コーヒーとニキビについて(3)
 ~コーヒーポリフェノールの
活性酸素除去効果でニキビ改善!~』

 
  • •コーヒーの最大の効能・効果を発揮させる成分と考えられるコーヒーポリフェノール(クロロゲン酸類)とニキビの関係について考えました。
  •  
  • •コーヒーポリフェノールがニキビを改善するという確かな証拠やエビデンスはありませんでした。
  •  
  • •しかし、コーヒーポリフェノールがニキビを改善する有力なメカニズムの一つを推測することができました。
  • •『コーヒーポリフェノールの活性酸素除去効果でニキビが改善』されるというメカニズムです。
  • •コーヒーポリフェノールを多く摂る方法には、コーヒー豆は浅煎りのものを使ったり、コーヒー生豆を使った新飲料『生豆茶』を飲む方法も。
  • •毎日のコーヒーは、ニキビ改善の身近なパートナーです。
    

 もう11月も終わり。1年はあっという間ですね。ついこの間、忘年会をやったばかりのような気がします。

 コーヒーの話はこれで終わりにしようと考えていました。  ところが、今回コラムを書き終えた後、自分の過去を冷静に振り返ると、いくつか面白いことに気づきました。

 次回は、もう一度コーヒーつながりで、『私とニキビとコーヒーと』(仮)と題してお話しさせていただきます。

 それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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