コラム 「 とかちの窓から 」Column

第102回 『50℃洗いについて ~ おいしい野菜と果物をいただく一工夫 (2)野菜編 ~ 』
(2013年2月20日配信)

こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

 『スケートリンク整備』のお手伝いをする機会がありました。小中学校の授業でスケートはしていたものの、裏方の仕事をするのは初めてです。

 年明け早々の1月4日。近くの小学校のグランドに設営されているスケートリンクに午後8時に集合しました。
 天気は快晴。満天の星空も凍り付く零下14℃。風も多少あって体感温度は零下20℃です。

 私は、厚手のジャンバー、厚手の二重手袋を履き、靴は防寒用の長靴という除雪作業時の防寒体制で臨みましたが、軽作業のため体が暖まらず、体が芯から冷えてしまいました。

 仕事の内容は、昼間のスケート授業でガタガタになったリンク上の凹凸を数ミリ単位で補正する作業のお手伝いです。
 まず、ほうきで丁寧にリンク上の小さな氷や雪を掃いてきれいにします。次に、散水車が低速度でリンク上を散水しながら周回します。

 作業は5名で行い、私以外の4名は経験者。作業は1時間ちょっとで終了しました。作業後のリンクは、満天の星空が反射する位にピカピカになりました。
 冬場は毎日、作業が必要な『スケートリンク整備』。降雪時は除雪作業と並行するため、本当に大変とのことでした。

 『スケートリンク整備』という地味だけれど必要で大変な仕事。冬限定とはいえ、毎日続ける関係者のみなさんには頭が下がりました。

 そうそう、参加してわかりました。『スケートリンク整備』と『ニキビ改善』には共通点がありますね。
 規則正しい生活を送り、お肌の状態を毎日チェック。お肌の状態に応じてお手入れの方法を変え、必要とあれば皮膚科で治療を加え、お肌の状態をより良い状態へ補正して改善させる。
 地味だけれど毎日の努力が『ニキビ改善』には求められます。

 『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。このメルマガが、月に1度必ず届く、『ニキビ改善の心がけをお伝えする定期便』になれば幸いです。

 ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。
 このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、自分自身が一歩でも前に進むつもりで、毎月お届けさせていただいています。

 とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。

 そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)

今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

 これは私が皮膚科診療を22年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

 ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。

 第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。

 前回は、ニキビ改善に欠かせない、おいしい野菜と果物をいただく一工夫として、今話題の『50℃洗い』を取り上げ、そのメカニズムや方法についてお話しさせていただきました。

 今回は、私が実践した『50℃洗い』の『野菜編』についてお話しさせていただきます。

 まず、『50℃洗いの基本の手順』を以下に再掲します。簡単な方法です。(私の実践方法)も合わせて解説します。

1)『お湯を入れます』
 大きめのボウルに三分の一ほど水を入れます。沸騰したお湯を水と同程度注いで菜箸などで全体をかき混ぜ、ボウル内のお湯の温度を一定にします。

(私の実践方法)
 ザルとボウルがペアになったステンレス製ものを私は使用しています。これだと水切りが簡単です。
 最初に水は入れず、湯沸かし器の適温のお湯をそのまま入れていますが、問題ありません。

 

 2)『温度を計ります』
 調理用温度計などを使ってお湯の温度を計ります。50℃が望ましいですが、48℃~52℃までは適応範囲です。低ければお湯を足すなどして温度を調整します。

(私の実践方法)
 最初は温度を計っていましたが、最近は大体の温度がわかるようになり、結構アバウトに行っています。慣れると問題ありません。

3)『洗うものを入れます』
 全体をお湯に沈めるようにしながら洗うのが基本です。お湯の温度が下がってきたら差し湯をします。50℃のお湯はけっこう熱いので、ゴム手袋をはめても良いです。

(私の実践方法)
 野菜についた汚れを取るため、何度もお湯を取り替えることも。汚れ(土やゴミ、農薬など)をとることを重視していますので、洗う野菜にもよりますが、最初は高温(熱湯)で10秒くらいでさっと洗い、その後、50℃位の適温で念入りに洗っています。

4)『お湯から上げ水気を取ります』
 洗い終わり、ボウルから上げるときにできるだけ水気をきりましょう。さらにキッチン用ペーパータオルを使って食材の水分を丁寧に拭けば完了です。

(私の実践方法)
 1)で示した通り、ザルとボウルがペアになったステンレス製ものを使用しているため、水切りは簡単です。( ステンレスざる&ボウル で 検索 すると見つかります。)
 ザルに取手がついていて、洗ったものをそのまま冷蔵庫に入れることもできます。ちょっと高価ですが、清潔で後片付けも簡単です。長い目でみるとお得だと思います。

 次に、『50℃洗いで得られる4つの利点』(前回掲示)のうち、『野菜』と関係したもの、特に私が実感できたものを、以下でそれぞれに対して解説します。

1)『みずみずしさが蘇ります!』
 収穫後の野菜は水分の蒸発を抑えるため葉の表面の気孔を閉じます。50℃で洗うとヒートショックで気孔が開き、水分が吸収されます。しおれた葉物野菜も、収穫直後のみずみずしさが蘇ります。

(私の解説)
 私が主に行っているのは、サラダで生のまま食べる、レタスやほうれん草(サラダ用)やプチトマトなどです。洗う時間は2分位で行っています。
 しおれたレタスでも50℃洗いにより、程度の差はありますが、みずみずしい感じとなってきます。
 但し、温度を上げすぎると、レタスがへたった感じになって食べられなくなることもあるので要注意です。プチトマトも温度を上げすぎると、割れたりしますので適温と洗う時間は大切だと思っています。

 

2)『汚れや酸化した部分が良く落ち、食材の旨みがアップします!』
 肉や魚介類は空気に触れて酸化すると味が落ちます。50℃洗いすれば酸化した部分や余計な脂肪が水洗いよりよく取れ、さっぱりした味わいになります。
 臭みもなくなり、旨みや甘みがアップします。

(私の解説)
 私が一番重視しているのは、実はここです。野菜を生で安全においしくいただくには、よく洗うことがまず必要だと思っています。
 最近、何でも食べ物を皮ごと丸ごと食べることをすすめている先生がいらっしゃいます。栄養面では一理あるものの、安全面では疑問です。
 食べ物の皮には、様々な汚れ(土やゴミ、農薬など)の他、細菌・ウイルスが付着している可能性があります。最近では、放射性物質のことも考える必要があります。
 『50℃のお湯という、どこでも得られる安全性の高いもので野菜や果物を洗っても大丈夫なんです! きれいに汚れが落ちるし、いくつか良い点があるんです!!』というのが『50℃洗い』だと私は考えています。

3)『ふっくら、シャッキリなど食感が変わります!』
 野菜や果物はハリを取り戻し、肉や魚介類はふっくらと柔らかくなるなど食感も変化します。50℃洗いして焼いた肉は厚みが増し、肉汁がジュワーッと出るので調理後の味もおいしく変化します。

(私の解説)
 生野菜の食感は本当に大きく変わります。最近は、『50℃洗い』した野菜を一旦、冷蔵庫に入れ少し時間を置いてから食べています。
 レタスはシャキシャキで歯ごたえがあり、甘く感じられます。プチトマトは、かむ時にまろやかな味の甘さが広がります。ほうれん草は、独特のえぐみと青臭さ(灰汁:アク)が消えます。葉が柔らかくなり、緑色が増してきます。

 第69回のコラムで、野菜の灰汁(アク)について調べたことがありました。野菜の灰汁(アク)は、野菜の苦味やエグ味、シブ味、また切り口が黒くなったりするものです。
 このアクには、シュウ酸やアルカロイド、タンニンといった、時には体に害を及ぼす影響のある成分が含まれています。

 ほうれん草の代表的な栄養素である、水溶性の葉酸、カリウム、ビタミンCは、水洗いをすると流出するとされます。

 『50℃洗い』は、手早く行うと、『 栄養分の流出を抑える「良い灰汁(アク)取り」の方法 』となる可能性があります。

4)『調理の 時短効果 も得られます!』
 50℃洗いすることで味が染み込みやすくなり、下ごしらえも 時短 できます。あさりの砂抜きが5分で完了、半日漬けたピクルスが2日後の味となるという報告もあります。冷凍食品の解凍時間も短縮できます。

(私の解説)
 私は料理をしないのでこれはわかりませんでした。

 今回のポイントは以下の通りです。

 

【今回の4決め!落ち穂拾い】 「落ち穂 その86」

『50℃洗いについて 
~ おいしい野菜と果物をいただく一工夫
 (2)野菜編 ~』

 
  • •ニキビ改善に欠かせない、おいしい野菜と果物をいただく一工夫として、『50℃洗い』について考えてみました。
  •  
  • •今回は『私の50℃洗い実践報告ー野菜編』です。
  •  
  • •水切りが簡単なザルとボウルがペアになったステンレス製のものを私は使用しています。
  •  
  • •レタスやほうれん草(サラダ用)やプチトマトなどで2分間位『50℃洗い』を行った所、『みずみずしい感じが蘇り』ました。
  •  
  • •私が一番重視しているのは、『汚れが落ちる』ことです。『50℃のお湯という、どこでも得られる安全性の高いもので野菜や果物を洗っても大丈夫なんです! きれいに汚れが落ちるし、いくつか良い点があるんです!!』 というのが『50℃洗い』だと私は考えています。
  •  
  • •生野菜の食感は本当に大きく変わります。『50℃洗い』した野菜を一旦、冷蔵庫に入れ少し時間を置いてから食べると尚一層おいしくいただけます。
  •  
  • •『50℃洗い』は、手早く行うと、『栄養分の流出を抑える「良い灰汁(アク)取り」の方法』になる可能性があります。
    

 つい2年程前まで、私が野菜を自分で洗ってサラダにして食べるということは想像できないことでした。

 私達を取り巻く環境は大きく変化しています。私は、出来合いのサラダは極力避け、自分なりの基準で野菜を選び、『50℃洗い』をした野菜をオリーブオイルだけでいただくようになりました。  手間暇はかかりますが、おいしいですし、安心感が違います。食事に関して、私は少し“脱皮”しました。

 また、『50℃洗い』で、野菜の保存期間が長くなります。野菜高騰の折、家計の助けにもなるでしょう。野菜やサラダ嫌いのニキビでお悩みの方に、おいしく野菜を摂っていただけるオススメの方法です。

 次回は『私の50℃洗い実践報告ー果物編』です。

 それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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