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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2013年3月20日配信)

第103回 『50℃洗いについて ~ おいしい野菜と果物をいただく一工夫 (3)果物編 ~ 』

 こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

 ちょっとした用事のついでに、卒業した小学校へ行ってきました。行ったといっても夜に外から眺めただけです。
 私が6年間通学していた小学校は、開校116周年を迎えた『帯広小学校』です。もともと帯広市の中心部にありましたが、老朽化のため1年生の12月に町外れの新校舎に移転しました。

 35年振りに訪れてみると、川を挟んで市街地と離れて建っていた校舎の南側には、新たに橋が架かって、道路が開通。市街地と一体化していました。  校舎は40年の風雪に耐え、通学していた時とさほど変わらず、しっかりと『存在』していました。

 小学校の思い出といえば、三階の西側の渡り廊下から眺めた日高山脈の美しさです。夕方の下校前、よく一人でぼんやり眺めていました。
 遠くに連なる雪を頂いた山々と澄み切った青空が、少しずつ夕焼け色に染まっていきます。その光景の雄大できれいだったこと。今でも脳裏に焼き付いています。

 星空の元、帰りは『卸売り団地』とよばれるビル街を通りました。驚いたのは、ビルや建物が、ほぼ昔のまましっかり『存在』して『残って』いたことです。残るものはしっかり残って『存在』しつづけるものなのですね。

 高校を訪れた時は、卒業後28年の変化の大きさに圧倒されました。(第97回のコラムを参考にして下さい。)
 今回は、しっかりと『存在』して『生き残る』大切さを学びました。

 そうそう、『ニキビ改善』には、しっかりと『存在』して『生き残る』ぶれない『ニキビ改善の羅針盤』が必要です。

 『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。このメルマガが、月に1度必ず届く、『ニキビ改善の定期便/羅針盤』になれば幸いです。

 ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。
 このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、自分自身が一歩でも前に進むつもりで、毎月お届けさせていただいています。

 とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。

 そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)

今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

 これは私が皮膚科診療を22年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

 ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。

 第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。

 前回は、ニキビ改善に欠かせない、おいしい野菜と果物をいただく一工夫として、私が実践した『50℃洗い』の『野菜編』についてお話しさせていただきました。

 今回は、私が実践した『50℃洗い』の『果物編』についてお話しさせていただきます。

 まず、『50℃洗いの基本の手順』を以下に再掲します。簡単な方法です。(私の実践方法)も合わせて解説します。

1)『お湯を入れます』
 大きめのボウルに三分の一ほど水を入れます。沸騰したお湯を水と同程度注いで菜箸などで全体をかき混ぜ、ボウル内のお湯の温度を一定にします。

(私の実践方法)
 ザルとボウルがペアになったステンレス製ものを私は使用しています。これだと水切りが簡単です。
 最初に水は入れず、湯沸かし器の適温のお湯をそのまま入れていますが、問題ありません。

2)『温度を計ります』
 調理用温度計などを使ってお湯の温度を計ります。50℃が望ましいですが、48℃~52℃までは適応範囲です。低ければお湯を足すなどして温度を調整します。

(私の実践方法)
 最初は温度を計っていましたが、最近は大体の温度がわかるようになり、結構アバウトに行っています。慣れると問題ありません。

3)『洗うものを入れます』
 全体をお湯に沈めるようにしながら洗うのが基本です。お湯の温度が下がってきたら差し湯をします。 50℃のお湯はけっこう熱いので、ゴム手袋をはめても良いです。

(私の実践方法)
 果物についた汚れを取るため、何度もお湯を取り替えることも。汚れ(土やゴミ、農薬など)をとることを重視していますので、洗う果物にもよりますが、最初は高温(熱湯)で10秒くらいさっと洗い、その後、50℃位の適温で念入りに洗っています。

4)『お湯から上げ水気を取ります』
 洗い終わり、ボウルから上げるときにできるだけ水気をきりましょう。さらにキッチン用ペーパータオルを使って食材の水分を丁寧に拭けば完了です。

(私の実践方法)
 1)で示した通り、ザルとボウルがペアになったステンレス製ものを使用しているため、水切りは簡単です。( ステンレスざる&ボウル で 検索 すると見つかります。)
 ザルに取手がついていて、洗ったものをそのまま冷蔵庫に入れることもできます。ちょっと高価ですが、清潔で後片付けも簡単です。長い目でみるとお得だと思います。

 次に、『50℃洗いで得られる4つの利点』(前々回に掲示)のうち、『果物』と関係したもの、特に私が実感できたものを、以下でそれぞれに対して解説します。

1)『みずみずしさが蘇ります!』
 収穫後の野菜は水分の蒸発を抑えるため葉の表面の気孔を閉じます。50℃で洗うとヒートショックで気孔が開き、水分が吸収されます。しおれた葉物野菜も、収穫直後のみずみずしさが蘇ります。

(私の解説)
 果物の場合、葉ものが多い野菜とは少し異なります。
 私が主に行っているのは、『イチゴ』です。『みかん』、『バナナ』も試しています。『50℃洗い』の本にはありませんが、『ブドウ』も試してみました。

 『イチゴ』は、しおれたヘタにハリが出るのがよくわかります。『イチゴ』は冷蔵庫に入れておいても、すぐいたんでしまいます。『50℃洗い』を1~2分行うと、いたみにくくなります。数日間は確実に鮮度が長持ちします。
 また、少しいたんでいても、その後のいたむペースがダウンします。

 私は、冬場は『みかん』を箱買いして、1日に4個程いただいています。
 『みかん』は、箱買いしているといたむものが必ずでます。3~4分、全体が温かくなるまでお湯につけ、浮かんできたら手で押さえる『50℃洗い』をあらかじめ行っておくと、いたむものが少なくなります。箱買いのメリットを生かせます。

 『バナナ』は、日が経つと皮に黒い斑点が出たり、中身がいたみやすくなります。すでに皮に黒い斑点が出ているものでも『50℃洗い』を4~5分行うと、斑点の増え方が遅くなります。
 しかし、中身がいたむのを止めるのはちょっと難しい印象を受けました。

(追記:3月13日放送の『ためしてガッテン』(NHK)では『バナナのスゴ技7連発』というタイトルで『50℃洗い』を応用した『日持ち3倍!長寿バナナ』の作り方が放送されていました。優れた方法だと思いますので検索してみて下さい。)

 『ブドウ』は、農薬の効果なのでしょうか?意外と長持ちします。しかし、日が経つと、水分が失われて皮にハリがなくなりしぼんだ感じに。  『イチゴ』と同様、『50℃洗い』を1~2分行うと、みずみずしさが蘇ります。

  

2)『汚れや酸化した部分が良く落ち、食材の旨みがアップします!』  肉や魚介類は空気に触れて酸化すると味が落ちます。50℃洗いすれば酸化した部分や余計な脂肪が水洗いよりよく取れ、 さっぱりした味わいになります。臭みもなくなり、旨みや甘みがアップします。

(私の解説)
 私は野菜の場合と同様、ここを一番重視しています。皮をむかずに果物をそのまま安全においしくいただくには、よく洗うことがまず必要だと思っています。

  

 果物の皮には、様々な汚れ(土やゴミ、農薬など)の他、細菌・ウイルスが付着している可能性があります。最近では、『放射性物質』や更には『PM2.5』といったものにまで注意する必要が出てきています。

 科学的に実証されている訳ではありませんが、『50℃洗い』はこれらのリスクを下げる、手軽な方法としてオススメです。

 『50℃のお湯という、どこでも得られる安全性の高いもので野菜や果物を洗っても大丈夫なんです! きれいに汚れが落ちるし、いくつか良い点があるんです!!』
 というのが『50℃洗い』だと私は考えています。

3)『ふっくら、シャッキリなど食感が変わります!』
 野菜や果物はハリを取り戻し、肉や魚介類はふっくらと柔らかくなるなど食感も変化します。50℃洗いして焼いた肉は厚みが増し、肉汁がジュワーッと出るので調理後の味もおいしく変化します。

(私の解説)
 果物の食感も本当に大きく変わります。野菜と同様、『50℃洗い』した果物を一旦、冷蔵庫に入れ、少し時間を置いてから食べています。

 『イチゴ』は酸味がまろやかに、甘みが増します。『イチゴ』は『あまおう』の甘さが特に引き立ちます。北海道産の『イチゴ』は、酸味が強く甘みが今一歩ですが、『50℃洗い』すると、おいしさがアップします。

 『みかん』も甘みが増して、箱買いして少ししぼんだ『みかん』も復活します。

 『ブドウ』は、『巨峰』の甘みが一層増します。他の酸味の強い品種のものでも、酸味がまろやかに甘みが増す様に感じられました。  『ブドウ』は、『むい太郎』というブドウの皮むき器を使っていただきます。(詳しくは96回のコラムをお読み下さい。)  『50℃洗い』したものの方がプチッと中身をうまく取り出すことができます。

 今回のポイントは以下の通りです。

 

【今回の4決め!落ち穂拾い】 「落ち穂 その87」

『50℃洗いについて 
~ おいしい野菜と果物をいただく一工夫
 (3)果物編 ~』

 
  • •ニキビ改善に欠かせない、おいしい野菜と果物をいただく一工夫として、『50℃洗い』について考えてみました。
  •  
  • •今回は『私の50℃洗い実践報告―果物編』です。
  •  
  • •『イチゴ』、『ブドウ』は1~2分、『みかん』は3~4分、『バナナ』は4~5分ほど『50℃洗い』を行った所、『みずみずしい感じが蘇り』ました。
  •  
  • •私が一番重視しているのは、『汚れが落ちる』ことです。『50℃のお湯という、どこでも得られる安全性の高いもので野菜や果物を洗っても大丈夫なんです! きれいに汚れが落ちるし、いくつか良い点があるんです!!』というのが『50℃洗い』だと私は考えています。
  •  
  • •生野菜と同様、果物の食感も本当に大きく変わります。『50℃洗い』した果物を一旦、冷蔵庫に入れ、少し時間を置いてから食べると尚一層おいしくいただけます。
  •  
  • •科学的に実証されている訳ではありませんが、『50℃洗い』は『放射性物質』や更には『PM2.5』のリスクを下げる、手軽な方法としてオススメです。
    

 35年振りの母校の小学校訪問。『過去』を振り返って、『今』の自分を再確認する、良い機会となりました。
 少子化の影響で統廃合も噂されていますが、残って欲しいですね。
 大人になって、野菜や果物の洗い方を解説することになろうとは、当時はまったく思いませんでした。
 おいしい野菜や果物を自分で選び、『50℃洗い』で安心しておいしくいただく。こんな幸せなことはありません。

 『今日もおいしく食べて、1日生きる事ができました。ありがとうございます』とつい手を合わせてしまう程です。

 野菜や果物をバランスよく毎日いただく。しかも安全においしく、ストレス・フリーの一手間で継続する。
 ニキビの改善につながること間違いナシ。美容と健康の維持にももってこいです。
 また、最近の『放射性物質』『PM2.5』対策として使えます。本当にオススメの方法です。

 次回は、『ごきげんで過ごしてニキビ改善』というテーマで考えてみたいと思います。

 それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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