コラム 「 とかちの窓から 」Column

第110回 『ニキビといじめについて(3) 〜皮膚科受診は最良の選択肢!ニキビ改善のきっかけに!〜』
(2013年10月20日配信)

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい#

 こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

 先日、高校の友人数名のささやかなクラス会に参加しました。7〜8年振りでそろったメンバーは8名。いきなり高校時代にタイムスリップして、本音の会話が弾みました。
 卒業してもう30年。鋭い観察眼をもった友人A君は、参加者の白髪率を厳しくチェック。『お前、若くみえるけど白髪あるな。47、8じゃあ当たり前だけど』と早速つっこまれました。

 以前、皆と顔を合わせた時の話題は、高校時代の昔話に加え自分の仕事や子どもの教育などについてでした。
 今回の話題の中心は、両親の介護問題でした。癌の闘病中で大変とか、すっかり痴呆気味で目が離せなくなったなど。冗談を交えて笑い飛ばしていましたが、本当に切実な問題ばかりでした。

 でも今回、全員で一致したのは、『みんなこうして元気で会えてよかった。生きててよかった』というものでした。
 クラス名簿の担当者によると、クラス45名のうち鬼籍に入った者が1名。連絡が全く取れないものも数名いるとのことです。

 そうそう、ともかく『生きる』ことが大切です。

『生きたくないと思ったって 生きるだけは生きなけりゃなりません』
(島崎藤村(1872〜1943 明治〜昭和期の詩人 小説家)

最近みつけた、日めくりカレンダーの言葉です。

 『生きて』いると良いこと、悪いこといろいろなことが起きます。『ニキビ』も良くなったり、悪くなったり。一進一退を繰り返しているように思えても、とりあえず『生きて』いると時間が『ニキビ改善』を後押ししてくれます。
 『そういえば「ニキビ」に悩んでいた頃があったな。今は何ともないけど』といえる時期がやってきます。

 『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。このメルマガが、月に1度必ず届く、『ニキビが改善するまでの時間をつなぐメッセンジャー』になれば幸いです。

 ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。

 このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、自分自身が一歩でも前に進むつもりで、毎月お届けさせていただいています。

 とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。

 そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)

今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

 これは私が皮膚科診療を23年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

 ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。

 第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。

 前回は、『ニキビといじめ』について、僭越ながら

『 時間が悲しみを和らげてくれます。
  つらい目にあったら、縮こまり、顔を伏せ、
  聞こえないふりや眠ったふり、時には病気のふりもして、
  時間を稼ぐのも作戦の一つ。
  時間が解決してくれます!生きましょう! 』

と私ができるただ一つのアドバイスをさせていただきました。
 今回は、『ニキビといじめ』について、手前味噌になりますが『皮膚科受診でニキビが改善し、少しでもいじめ解消につながれば最高!!』と私が考えていることをお話します。

 前々回、第108回のコラムでは、虎ノ門病院 皮膚科部長 林 伸和 先生の講演会で取り上げられた 中高生と中高生の子どもをもつ母親を対象にした、ニキビに関する意識についてインターネット調査(※1)の前半部分について解説させていただきました。

(※1 )調査を実施した対象は、血縁/同居の関係を持たない中高生(930名)と母親(1,000名)。中高生一般の意識と 中高生の子どもを持つ母親一般の意識を比較した結果です。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000002763.html を以下で引用・改変させていただいております。)

[ 調 査 結 果 ]

1.  “ニキビの悩み” 親子間で約2倍の差がありました。

2. 軽症のニキビでも、悩みは深い

3.  親が知らない子の悩み

(1)ニキビで“嫌な思い” 中高生の7人に1人が経験 
(2)ニキビが原因でイジメにあった経験のある子どもは930人中21人

 

 今回の調査対象は子どもと母親は独立した集団で親子関係はありませんが、『ニキビが原因で子どもが悩んでいることを母親は把握できていない』状況が示唆される結果となりました。

 

 第108回では、上記の3つについて解説しました。以下の4〜6の後半部分を今回、解説させていただきます。

4. ニキビ治療受診のタイミングは遅く、“ひどくなったら”が最多

 病院でのニキビ治療の認知は子ども・母親ともに8割以上でした。しかし実際に、母親が子どもに勧めるニキビケアは洗顔、ニキビ用化粧品、生活習慣の改善(食事・睡眠など)が主な内容でした。
 病院でニキビ治療を受けるタイミングについては、子ども・母親ともに「赤いニキビがひどくなったら」が最も多く、特に子どもは「ニキビ痕が目立ったら」の回答が19%を占め、ニキビが重症化してから、病院で治療を受ける患者さんの行動が浮き彫りになりました。

( 私の感想 )

 私も、ニキビ治療受診のタイミングは遅いと感じます。当科の場合、初診で『ニキビ』で受診される患者さんは、「赤いニキビがひどくなったら」が半数、「ニキビ痕が目立ったら」が半数といった感じです。
 反対に、他のアトピー性皮膚炎やイボなどの皮膚疾患で通院していて「ついでにニキビ(笑)も診て下さい」といわれる患者さんは、軽症でしかも、すぐ改善する場合がほとんどです。
 皮膚科医全体で、もっと啓発するべき問題なのかもしれません。

5. 「病院に行きたい」と親に言いにくい 未受診の子どもの半数

 病院でのニキビ治療について、病院未受診の子どもの半数が「お金がかかるので、親に言い出しにくい」と回答しています。
 さらに病院でニキビ治療の経験については、約1/4にあたる24.1%が「行ったことはないが、行きたいと思っている」と回答したことから、ニキビに悩みながらも病院受診を親に言い出せずにいる子どもの様子が伺えます。

( 私の感想 )

 これも確かにあります。
 中高生は最近の経済情勢を厳しく感じているようです。また、お母さんが働いていて、経済的にも精神的にも余裕がなく皮膚科を受診できないという患者さんも多いです。

 診察中『ニキビの塗り薬を出しましょうか?』と私が言うと、『お金がかかるのでもったいない』と小学生の女の子にいわれ苦笑したこともありました。

6. ニキビの改善が最も高いのは親子ともに「病院での治療」。「医師からのアドバイス」を高く評価

 ニキビの治療を皮膚科で受けたことがある/現在も行っている人は子ども 21.6%、母親(子どものニキビ治療のため、病院に行ったことがある/現在も行っている人)  24.0%でした。

 ニキビの治療を皮膚科で受けた経験がある人の中で、症状が「改善した」と回答しているのは子ども55.6%、母親31.9%と、他の対処法と比較して高い比率でした。

 また、病院でニキビ治療を受けた感想として、「早く治った」「肌がきれいになった」などニキビの症状改善のほか、子ども・母親ともに「医師からのアドバイス」を高く評価しています。

( 私の感想 )

 一度、皮膚科を受診してある程度改善が実感できれば、中学生くらいになると一人で受診してくれるようになります。また、小学生でも母親が働いている場合は、最初は母親と受診した後、祖父母と共に受診したり、土曜日に父親と受診してくれるようになることも多いです。

 院内処方の当科の場合、料金が初診で千数百円(薬代込)、再診で千円前後(薬代込)ですので、高価な市販薬で治療するより割安だと感じられるのではないかと思います。  また、『ニキビ』について、初診時にはメカニズムも含めて説明し、再診時にも様々な指導箋を渡すなどして『アドバイス』を怠らないようにしています。

 最後になります。

 ニキビ治療に熱心に取り組み、数多くの患者さんを診察されている、虎の門病院 皮膚科部長 林 伸和先生は、今回の調査結果を受けて、以下のように述べておられます。

「ニキビは『青春のシンボル』と言われますが、
 医学的には『尋常性ざ瘡』という慢性の皮膚疾患です。
 顔のニキビは、周囲が考える以上に患者本人が受ける精神的影響が
 大きいため、母親(保護者)の正しい理解と子どもへの皮膚科受診
 の後押しが必要です。
 また、ニキビ痕を残さないためにも、
 ニキビ1個からでも早めに治療することが大切です」

( 私の感想 )

 まさしくその通りだと思います。早めの皮膚科受診がオススメです。皮膚科受診は、少なくとも『ニキビ改善のきっかけ』になります。総合的にみれば『ニキビ治療の最良の選択肢』だと思います。
 また、『ニキビ改善』が少しでも『いじめ』の解消につながることを切に望みます。

 [今回のポイント]は以下の通りです。

 

【今回の4決め!落ち穂拾い】 「落ち穂 その94」

『ニキビといじめについて(3)
 ~皮膚科受診は最良の選択肢!ニキビ改善のきっかけに!~』

 
  • •今回は『ニキビ』と『いじめ』について、手前味噌ですが『皮膚科受診の勧め』についてお話させていただきました。
  •  
  • •中高生と中高生の子どもをもつ母親を対象にした、ニキビに関する意識についてインターネット調査の後半部分について解説させていただきました。
  •  
  • • ニキビ治療受診のタイミングは遅く、“ひどくなったら”が最多を占めています。
  •  
  • •未受診の子どもの半数が、「お金がかかるので、親に言い出しにくい」と回答しています。
  •  
  • •ニキビの改善が最も高いのは親子ともに「病院での治療」と回答。「医師からのアドバイス」が高く評価されています。
  •  
  • •「ニキビは『青春のシンボル』と言われますが、医学的には『尋常性ざ瘡』という慢性の皮膚疾患です。
    顔のニキビは、周囲が考える以上に患者本人が受ける精神的影響が大きいため、母親(保護者)の正しい理解と子どもへの皮膚科受診の後押しが必要です。
    また、ニキビ痕を残さないためにも、ニキビ1個からでも早めに治療することが大切です」
    と 虎の門病院 皮膚科部長 林 伸和先生 は述べておられます。
  •  
  • •皮膚科受診は、少なくとも『ニキビ改善のきっかけ』になります。総合的にみれば『ニキビ治療の最良の選択肢』です。早めの皮膚科受診がオススメです。
  •  
  • •『ニキビ改善』が少しでも『いじめ』の解消につながることを切に願っています。
  

 久しぶりのクラス会は、結局3次会まで行ってしまいました。人生で一番楽しかったのは、ひょっとしたら高校時代だったのかもしれません。
 今度は、担任のS先生も交えて、大人数でやりたいなと思った次第です。

 次回は、『ニキビ』と『ストレス』について考えます。

 それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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