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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2013年12月20日配信)

第112回 『ニキビとストレス ~ヘコんだ時の対処法(1)「今」に関心を集中させましょう! ~』

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい#

 こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

 藤井フミヤさんといえば、元チェッカーズで歌手。「FUMIYART(フミヤート)」名称で個展を開催したり、愛・地球博の名古屋市パビリオン『大地の塔』をプロデュース(世界最大の万華鏡としてギネスブック認定)したりと、幅広く活躍するアーティストです。

 最近、いくつかのメディアのインタビューで、以下のようなお話をされていました。

 『以前は、アートをやったり役者をやったりもしたけど、ここ5年くらいは完全に音楽一本に絞って『職業欄 歌手』と書けるようにしたんです』

 『色んなことをやっていると自分の御柱(おんばしら)的なものが揺らいで、中途半端になる気がした。若いころは時間が無限にあると思っていたけれど、年齢を重ねてきて、人生あんまり時間はないという意識が湧いてきたんですね』

 『その中で、自分が一番プロフェッショナルなものはやっぱり「ステージに立つ俺」だ。そこから真剣に音楽に集中して「歌手」で生きていこうと』

 『ある人にいわれたんです。たとえば映画は1本見るのに2時間、小説なら1週間かかる。でも音楽って、たった3、4分で泣かせることができる。俺はそんなに面白いものをほったらかしてきたんじゃないか。それ以来、この“3、4分の世界”を突き詰めなきゃいけないと思うようになりました』

 藤井フミヤさんの個人的な印象は、どこか斜に構えている感じの歌手。「AnotherOrion」はとっても好きな曲ですが。
 でも、このインタビューをみてからは、『藤井さんは人生に真剣に向き合って、一生懸命生きているんだな。この「歌手で生きていこう」は名言だな。この覚悟はすごい! 自分ははたしてどうだろう?』と考えるようになりました。

 お陰さまで『とかち皮膚科』を開業して16年9ヶ月経ちました。『とかち美白研究所』を開所して11年8ヶ月。
メルマガにコラムを連載させていただいて9年1ヶ月。
 『皮膚科医で生きていこう』 最近は、本当に心底思えるようになりました。

 毎日、普通に皮膚科の診療をして生きていくことは当たり前のようですが、決してそんなことはありません。スタッフがいて、患者さんがいて、様々なインフラが安定的に供給されている。どれが欠けても成り立ちません。本当に感謝です。

 このメルマガは、『皮膚科医で生きてゆく私が配信しつづけるニキビ改善のライフワーク』と位置づけ、これからも続けて行きたいと思います。

 ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。
 このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、自分自身が一歩でも前に進むつもりで、毎月お届けさせていただいています。

 とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。

 そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)

今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

 これは私が皮膚科診療を23年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

 ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。

 第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。

 前回は、『ニキビ啓発のCM』を見て、『ニキビはできはじめに皮膚科で治療したものが勝つ』と、手前味噌ですが、真剣なメッセージを伝えさせていただきました。
 今回は、『ニキビ』と『ストレス』についてとりあげます。

 毎日、ニキビ患者さんを診察していると、『ニキビ悪化』と『ストレス増大』には、相関関係があることに気づきます。

 初診の患者さんから『ストレスでニキビが悪化してどうしょうもありません。何とかして下さい!!』などと、いきなり言われることが本当に多くなりました
 前回のコラムでも書きましたが、今年は、個人的にも何かと『ストレス』が問題になった年でした。『ストレス』の対処法で何か良いものはないかなと探していました。

 そんな時、本屋さんの店頭で、中身を見ないでいきなり購入したのが、『 「凹(ヘコ)まない」技術 』 西多昌規 著 (PHP文庫)でした。(手に取ってからレジに向うまで10秒の早業でした。)
 『「心が折れない人」になる科学的&実践的メソッドを精神科医が伝授 』と本の帯にあり、興味をそそられ一気に読みました。

 筆者は1970年生まれの精神科医で、現在、自治医大の精神科講師をされています。謙遜されていますが、経歴は超エリート。それなのにこの本音ベースでの語り口はすごい。先生が提唱される、ストレスを軽くする科学的&実践的メソッドは大変役立つものばかりです。
 この本で、西多先生が繰り返し強調されているのが、

 『鋼(はがね)のような「絶対にヘコまない精神力」を無理に手にいれようとするよりは、「ヘコんでも」うまく元に戻せる「復元力」を徐々につけましょう』

というものです。

 話は変わりますが、最近、見たブログでも、
『災害などについて完璧な予知をすることはできない。最悪の状況を想定した上で「復活力を磨く」ということが、生き残りのカギである 』
とあり、なるほどと納得しています。

 今回のコラムでは、まず、『ヘコんでも』うまく元に戻せる『復元力』をつける方法を一つだけ、取り上げさせていただきます。

 『「今」に関心を集中させる』です。(P98〜引用・改変させていただきます)

 これから年末年始を迎えます。今年あったことを振り返り、来年以降の『未来』についていろいろ考えることでしょう。その時、大きなストレスが襲ってくる可能性があります。心配の余り、ニキビが悪化してしまうかもしれません。

 私達は『頑張れば報われる』成長神話が滅びようとしている『下り坂』の時代に生きています。『上り坂』と違って『下り坂』では、『下った先』のほうをどうしても見てしまい、『将来についての』『漠然とした』『不安』に襲われてしまいます。
 『不安は、人間の関心の視線をブレさせて遠視にさせてしまう』といえます。

 こうした『不安』とのつき合い方のコツについて、西多先生は以下のように書いておられます。

イ) 遠い先を見渡すのではなく、『今』という、『目先』に関心を寄せてみることが大切です。

ロ) 小さな行動や達成目標に努力を集中してみましょう。仕事でも家事でも、できることに行動を絞り込むことで、下り坂の時代の中で喪失しかけている『自己コントロール感覚』を取り戻すことが重要です。

ハ) 下り坂の時代は『世の中の流れに身を任せるしかない』という受け身の態度をとりがちです。少しでも能動性を発揮して、『自己コントロール感覚』を持つことが、『ヘコみにくい』『ヘコんでも跳ね返せる』精神力につながります。

ニ) 某大手予備校の 林 修 先生の『今でしょう!』を思い出して、関心を『今』に振り向けましょう。

 私はどちらかといえば悲観的な考えに傾いてしまいがちな性格です。確かに『未来』のことばかり考えて仕事をしていました。
 『今』に関心を寄せる。『自己コントロール感覚』をうまく習得して、『ヘコみにくい』『ヘコんでも跳ね返せる』精神力を持ちたいものです。
 『将来についての』『漠然とした』『不安』が少しでも軽くなれば『ニキビ改善』につながること間違いなしですね。

 [今回のポイント]は以下の通りです。

 

【今回の4決め!落ち穂拾い】 「落ち穂 その96」

『ニキビとストレス
~ヘコんだ時の対処法(1)
「今」に関心を集中させましょう!~』

 
  • •『ニキビ悪化』と『ストレス増大』には、相関関係があります。
  •  
  • •『ストレス』の対処法で最適な本を見つけました。『「凹(ヘコ)まない」技術』 西多昌規 著 です。
  •  
  • •この本で、繰り返し強調されているのが、『鋼(はがね)のような「絶対にヘコまない精神力」を無理に手にいれようとするよりは、「ヘコんでも」うまく元に戻せる「復元力」を徐々につけましょう』という考え方です。
  •  
  • •今回のコラムでは、『「今」に関心を集中させる 』を取り上げました。
  •  
  • •年末年始。来年以降の『未来』についていろいろ考えた時、大きなストレスが襲ってくる可能性があります。心配の余り、ニキビが悪化してしまうかもしれません。
  •  
  • •『不安』とのつき合い方のコツについて、西多先生は以下のように書いておられます。
    イ) 遠い先を見渡すのではなく、『今』という、『目先』に関心を寄せることが大切。
    ロ) 小さな行動や達成目標に努力を集中する。仕事でも家事でも、できることに行動を絞り込み、『自己コントロール感覚』を取り戻すことが重要。
    ハ) 少しでも能動性を発揮して、『自己コントロール感覚』を持つことが、『ヘコみにくい』『ヘコんでも跳ね返せる』精神力につながる。
    ニ) 某大手予備校の 林 修 先生の『今でしょう!』を思い出し、関心を『今』に振り向けましょう。
  •  
  • •『将来についての』『漠然とした』『不安』が少しでも軽くなれば『ニキビ改善』につながります。
 

 今年もあとわずかとなりました。林 修 先生の『今でしょう!』が、こんな所で出てくるとは思いませんでした。
 この林先生は、私と同学年の48歳です。高校の同級生ドリカムの吉田美和さん(48歳)も、今年は紅白に出演されるとのこと。
 私(来年1月で48歳)もまだまだ頑張ろうと思います。来年もよろしくお願いいたします。

 次回も、「ヘコんでも」うまく元に戻せる「復元力」の方法について考えます。

 それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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