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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2014年1月20日配信)

第113回 『ニキビとストレス ~へコんだ時の対処法を身につけましょう(2) 「何もしない時間」がニキビ改善につながります!~』

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい#

 こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

 少し遅くなりましたが、本年もよろしくお願いいたします。

 昨年の12月初旬。会合の後、大学の同期6名が集まりました。メンバーは以下の通りです。

A君:大学院でも同期終了の友人。最近、母校の教授となる。
Bさん:大学卒業後、24年振りにお会いしました。OLを経て、医学部に再入学された経歴を持つ、推定年齢5X歳。最近、航空管制官の方と結婚(祝!!)されたそうです。
C君:北海道の地域医療の有名人。現在は往診専門クリニックの立ち上げの準備中。
D君:最近、地方の病院の経営者となり、再建に体を張っている。眼光鋭く、昔とあまり変わらず。
E君:皮膚科開業医で大学院でも同期終了の友人。高3の冬、代ゼミの直前講習の際に知り合った最も古い友人。
F: 私。E君と会合で会った際、別の会場にてBさんの結婚祝いがA〜D4名で行われているとの情報をゲット。2次会での合流を2時間前に誘われて参加。

 いきなりの再会はとってもびっくりしました。でも、みんな元気でそれぞれ頑張っていて『本当にスゴイな!!』と思いました。
 新たなエネルギーを注入してもらった感じがしました。

 そういえば昔話は一切ありませんでした。みんな『今』と『これから』についてだけ全力投球していました。

 A君とは昔、大学院の時、付属図書館でよく立ち話をしていました。『俺、基礎研究って向いてないと思うんだ。この間、教授に話をしたら慰留されたんだけど』などと、A君が過去に悩んでいたのがうそのようです。
 私はアルコールは入っていませんでしたが、『教授就任、本当におめでとう。だけど体は少し絞った方が良いよ!』などと、A君の肩をポンポン何度も軽くたたきながら話をしました。
 『医学部教授』の肩をポンポンたたく私って—–。温厚なA君と同期生のみんなに感謝です。

 時々、昔の仲間に会うことは大切ですね。

『 自分の考えや行動などを深くかえりみる 』
『 内省(ないせい) 』の良い機会になります。

 そうそう、『 自分を振り返ったり、反省したり、将来を考えたりする 内省 』は、とっても大切。『内省』は、次なる『成長』へつながります。
 ニキビ治療も『内省』が大切です。あの治療であと一歩のところまで改善したので再開してみようとか、ちょっとニキビの目立つ前髪を短くしてみようなど。次なる『ニキビ改善のステップ』に踏み出すきっかけになります。

 『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。このメルマガが、月に1度必ず届く、『内省を通してニキビ改善を促すメッセンジャー』になれば幸いです。

 ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。
 このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、自分自身が一歩でも前に進むつもりで、毎月お届けさせていただいています。

 とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。

 そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)

今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

 これは私が皮膚科診療を23年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

 ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。

 第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。

 前回からは、『ストレス』の対処法に最適な本『「凹(ヘコ)まない」技術』( 西多昌規 著)をもとに、『ニキビ』と『ストレス』についてとりあげています。

 前回は、『今』に関心を集中させることの大切さをとりあげました。仕事でも家事でも、できることに行動が絞り込まれ『自己コントロール感覚』を取り戻すことができるようになり、その結果『ストレスが解消』され『ニキビ改善』につながるというお話しをさせていただきました。
 今回は、『何もしない』ことが『ニキビ改善』につながることについてお話しさせていただきます。

 『「凹(ヘコ)まない」技術』で、西多先生が繰り返し強調されているのが、

 『鋼(はがね)のような「絶対にヘコまない精神力」を無理に手にいれようとするよりは、「ヘコんでも」うまく元に戻せる「復元力」を徐々につけましょう』

というものです。

 今回のコラムでは、『ヘコんでも』うまく元に戻せる『復元力』をつける方法の2つめとして、

『5分間だけ、何もせず「ボーッ」としてみる』

を取り上げさせていただきます。(P227~引用・改変させていただきます)

 この項で、西多先生は自身の専門である精神科の治療において

『何もしないで、「様子を見ている」ほうが、かえってうまくいくことが少なくない』

とおっしゃっています。
 これと似たような現象が、脳にも見られるそうです

 何もせず『ボーッ』としていることが、『ヘコまない』脳作りに、役立つというのです。

 その鍵は、脳内の『デフォルト・モード・ネットワーク』という『何もしないでボーッと休んでいる』ときの脳内ネットワークにあります。

 人間の脳は、何も意識しないで『ボーッ』としているときにも活動を行っています。
 驚くべきことに、この『ボーッ』としている状態においては、意識しているときの約20倍ものエネルギーを消費していることがわかったそうです。

 体をまったく動かしていなくても、体温を保つ、呼吸をする、心臓を動かすといった生命維持活動のために常に使っているエネルギーのことを『基礎代謝』と言います。
 『デフォルト・モード・ネットワーク』は、『脳の基礎代謝』というべきものです。

 あれこれ活動しているときには、このネットワークの神経細胞の活動度は下がります。しかし、いったん休みに入ると、この脳部位が活発になります。

 『デフォルト・モード・ネットワーク』がわたしたちの現実生活に与える恩恵は、『 自分を振り返ったり、反省したり、将来を考えたりする内省に用いる 』 能力です。
 『 自分の過去と未来を考えながら、情緒、思考面で人間の中身を豊かにするネットワーク 』とも言えます。
 まさに『ヘコむ』『ヘコまない』に関係する脳機能なのです。

 『何もしない』ことは、不安と抱き合わせになりがちです。『何もしなくて大丈夫なんだろうか?』と、不安になってしまうまじめな人もいるでしょう。何を隠そう、このコラムを書いている私もそんな一人です。
 しかし、脳の基礎代謝の維持も大切です。『 何もしない時間が、次に何かをやろうという意欲をわき上がらせるパワーを与えてくれる 』という訳です。

 『何かしないと不安』とオロオロしているよりは、少しだけ目をつむって、『何もしない、考えない時間』を5分でいいから作りましょう。
 自分のこころの『ヘコみ』が『ボーッ』としているだけで回復し、『さあ、やらなければ。ニキビ治療もがんばろう!』という気持ちが出てくれば、本当に素晴らしいことだと思います。

 [今回のポイント]は以下の通りです。

 

【今回の4決め!落ち穂拾い】 「落ち穂 その97」

『ニキビとストレス
~ヘコんだ時の対処法(2)
「何もしない時間」がニキビ改善につながります!~』

     
  • •『ニキビ悪化』と『ストレス増大』には、相関関係があります。
  •  
  • •『ストレス』の対処法で最適な本を見つけました。『「凹(ヘコ)まない」技術』 西多昌規 著 です。
  •  
  • •この本で、繰り返し強調されているのが、『鋼(はがね)のような「絶対にヘコまない精神力」を無理に手にいれようとするよりは、「ヘコんでも」うまく元に戻せる「復元力」を徐々につけましょう』という考え方です。
  •  
  • •今回のコラムでは、『5分間だけ、何もせず「ボーッ」としてみる』を取り上げました。
  •  
  • •脳内の『デフォルト・モード・ネットワーク』という『何もしないでボーッと休んでいる』ときの脳内ネットワークが、『ヘコまない』脳作りに、役立ちます。
  •  
  • •あれこれ活動しているときには、このネットワークの神経細胞の活動度は下がります。しかし、いったん休みに入ると、この脳部位が活発になります。
  •  
  • •『デフォルト・モード・ネットワーク』は、『 自分を振り返ったり、反省したり、将来を考えたりする内省 』を行う能力をわたしたちに与えてくれる『 自分の過去と未来を考えながら、情緒、思考面で人間の中身を豊かにするネットワーク 』なのです。
  •  
  • •『 何もしない時間が、次に何かをやろうという意欲をわき上がらせるパワーを与えてくれる 』という訳です。
  •  
  • •『何かしないと不安』とオロオロしているよりは、少しだけ目をつむって、『何もしない、考えない時間』を5分でいいから作りましょう。
  •  
  • •自分のこころの『ヘコみ』が『ボーッ』としているだけで回復し、『さあ、やらなければ。ニキビ治療もがんばろう!』という気持ちが出てくれば、本当に素晴らしいことです。
 
 

 ちょっと長い、本文の補足になります。

 西多先生は『ヨガや瞑想、座禅が精神の健康維持に効果的であるという研究が少なくないですが、科学的背景にはこの「デフォルト・モード・ネットワーク」の機能が関与している可能性が十分にある』とも、推測されています。

 実は、この考え 第105回のコラム『上機嫌(ごきげん)で過ごしてニキビ改善(2)~ちょっとした気分転換で上機嫌(ごきげん)に~』の中で違う角度から取り上げていました。以下で、再掲させていただきます。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 満尾先生は、以下の3つを『おすすめの気分転換の方法』とされています。以下で抜粋・引用し、私の感想も加えさせていただきます。

1)1日に10分でいい。何も考えない時間を持つ

 禅に「不思善、不思悪」という言葉があります。「いいことも、悪いことも考えるな」という意味です。
 いいことを考えるのがなぜいけないのかというと、いいことを考えているうちに、「そうそう、その裏にこんな苦労もあった」と悪いことも浮かんできてしまうからです。
 だから、何も考えずにボーっとする時間をあえてつくることが大事です。

 こうして交感神経の興奮を抑えると、副交感神経の働きが刺激され、体内のバランスが整いやすくなります。
 瞑想には脳の働きを高め、直感や判断力を鋭くする効果も期待できることから、経営者のなかには、瞑想を習慣づけるいる人も多いようです。

( 私の感想:そういえば昔から、何も考えずにボーっとすることが多かったです。第103回のコラムでも、小学校時代の様子で書きました。
 いいことも考えないという発想はすごいですね。是非、取り入れたい考え方です。私も現在チャレンジ中です。)

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 これは、脳の『デフォルト・モード・ネットワーク』の言い換えですね。

 『不思善、不思悪』については、現在もチャレンジ中ですが、なぜかお腹が空くことに気づいていました。
 この『ボーッ』としている状態においては、意識しているときの約20倍ものエネルギーを消費しているという西多先生の解説は納得です。

 小学校の時も、遠くを見て『ボーッ』としていると、夕方だったので当たり前と考えていたのですが、とっても腹ペコで帰宅したことをよく覚えています。

 次回は、『ヘコんでも』うまく元に戻せる『復元力』の方法は一休み。最近ちょっと気になる『ある髪型』について考えます。

 それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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