コラム 「 とかちの窓から 」Column

第119回 『マスクとニキビについて~(1)何気ないマスク着用がニキビの原因に~』
(2014年7月20日配信)

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい#

こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

先日、地元の新聞社から取材を受けました。
紫外線対策についてお話させていただきました。

記者の方が大変熱心で、短時間の取材にもかかわらず、ポイントを押さえた素晴らしい記事になりました。

患者さんからは、
『ウチの先生がでかでかと新聞にでた!』
『先生は冗談しか言わない人だと思っていましたが、本当にお医者さんだったのですね。勉強になりました!』
などと好評でした。

取材を受ける(5月21日)にあたり、記者の方が男性でスポーツ担当がメインということで、資料集を作成(5月19日)しました。

その中にあったのが、第58回のコラム『紫外線防御の4決め!』を提唱します!から引用した以下の部分でした。

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最近は紫外線の有害性が、様々な所で取り上げられています。
でも二十年前には、気にかける人は本当に少数派であったと思います。

実は、私の美白の師匠ともいえるのは、歯科/口腔外科の先生です。
医学部では、カリキュラムの中で口腔外科の講義があります。
5年生の時(1988年頃)、その口腔外科の講義の中で、ある先生が『紫外線に当たってはいけません。ビタミンDは食事で取れるし、老化が進みますよ』とお話しされ、大変印象に残りました。

その先生は現在、金沢大学医学部 歯科口腔外科学講座 教授に就任されている、山本悦秀先生です。

『優れた人物は、畑違いの分野でも、重要な情報を有しているもの』と今更ながら再認識しました。

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山本先生か。懐かしいなあ~と、思い返していました。

5月25日の日曜日のことです。
いつものように診察室で、外来で患者さんのために用意していた新しい雑誌をちらちら見ていた時のことです。

『週刊女性』(5月20日発売 北海道では23日発売)をめくると、歯科医師のランナーの記事が目にとまりました。

どこかでみたことのある人だなと思っていると、何と!!山本悦秀先生でした!!

山本先生は、金沢大学教授在任中の2005年に大腸がんで手術され、人工肛門保持者(オストメイト)になったそうです。
現在は、東京で歯科医院開業のかたわら、人工肛門(オストミー)への理解を広めるため、自ら広告塔として名乗り出て、全国を講演して回っておられるそうです。
さすが、山本先生。大腸がんを克服し、生き生きとシニアライフを送っておられるとは。記事を読んでも、先生の人生は素晴らしいの一言に尽きます。

人生には『縁』というものが明らかにあります。
よく考えてみると70億人以上いる世界の中で、読者の皆さんにこのコラムをお読みいただくのは本当に奇跡的なこと。
この『縁』をこれからも大切にしたいと思います。

『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。
このメルマガが、月に1度必ず届く、
『「縁」を大切に 価値あるニキビ改善情報を提供する定期便』になれば幸いです。

ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。

このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、自分自身が一歩でも前に進むつもりで、毎月お届けさせていただいています。

 とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を毎月発行しております。

 そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)

今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

 これは私が皮膚科診療を24年やってきた中で非常に重要と思い標語にしたものです。

 ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて解説してきました。

 第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連したこと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。

 第112回からは、『ストレス』の対処法に最適な本『「凹(ヘコ)まない」技術』( 西多昌規 著)をもとに、『ニキビ』と『ストレス』についてとりあげています。

 この本で、繰り返し強調されているのが、『鋼(はがね)のような「絶対にヘコまない精神力」 を無理に手にいれようとするよりは、「ヘコんでも」うまく元に戻せる「復元力」を徐々につけましょう』という考え方です。

 前回は、『ニキビ』の悪化原因となる『ストレス』への対処法として、『 精神的負担となっている人間関係から「飛び出す」方法 ~ネット編~  』について考えました。
 今回は、『ニキビ』の悪化原因となる『ストレス』への対処法はお休み。最近、目立つ『マスク』と『ニキビ』の関係についてお話させていただきます。

 何気なく新聞を読んでいると、以下のような記事がありました。

高校生のマスク「顔隠れ安心」(日経新聞 5月5日)

全国高等学校PTA連合会が2013年10月に行った調査で、「病気やその予防でもないのにマスクをしたことがある」というアンケート(有効回答6123人)に「ある」との回答は

男子・・・12.9%
女子・・・33.6%
マスク着用の理由(自由記載)では、1410人中619人(43.9%)が「顔を隠して落ち着きたい」と回答したそうです。

その他の理由には
・防寒など身体的健康衛生上の着用
・理由なくつける
・ニキビなどを隠したい

となっています。

担当者は「相手の表情から気持ちをくみ取るという、円滑なコミュニケーションの基本を阻害するようなマスク流行の実態が明らかになった」と指摘しています。

確かに最近、常にマスクをしている人が増えました。
最初は、健康管理に注意していて大したもんだななどと考えていたのですが、実際は違うなと数年前に気づきました。

ニキビとマスクの関係では、2つの場合があると思います。

イ)『ニキビを隠すためにマスクをする場合』
ロ)『マスクが顔の皮膚に刺激を与えニキビが発生している場合』
の2つです。

イ)の場合は、マスクでニキビをうまく隠し、その間にきちんと治療して改善するのが最高です。

しかし、実際はただマスクをするだけでかえって悪化させ、どうしょうもなくなって皮膚科に飛び込むケースがほとんどです。

治療が必要で皮膚科を受診されるので、こちらはまだ救いがあります。実際、マスクをはずして治療に専念するとほとんど改善します。

ロ)の場合は、患者さん本人がマスクがニキビ発生の原因であることに気づいていない、あるいは、気づいていてもスルーしてしまうことが問題です。
とくに、マスクをすることが生活の一部になっている『だてマスク』派のニキビ患者さんの対応には苦慮します。

診療中、鏡を用いて、マスクの当たる場所の近くにニキビが発生していることを指し示して説明すると、『そうかな~? 先生、違う所にもあるじゃないですか!』
『化粧品か何かで、少しかぶれて赤くなってるだけだと思いますけど。マスクはずすのはイヤですね~!!』と『マスクなしの生活を強い調子で拒絶する』ことが多いです。

結局、ニキビ治療にも消極的で、再び、自分の内的世界にこもることになり、改善しないどころかますます悪化する患者さんも多いです。

『相手の表情から気持ちをくみ取るという、円滑なコミュニケーションの基本を阻害するようなマスク流行』がニキビの発生につながり、皮膚科外来では新たなバトルが勃発している格好となっています。

ニキビ改善にはマスクをはずすことが必要です。
でもいろんな他の方法もあるようです。
次回では、
『だてマスク』派のニキビ患者さんにも納得していただけるようなお話をさせていただきたいと思います。

 [今回のポイント]は以下の通りです。

 

【今回の4決め!落ち穂拾い】 「落ち穂 その103」

『マスクとニキビについて ~(1)何気ないマスク着用がニキビの原因に~』

  • •全国高等学校PTA連合会が行った調査で、「病気やその予防でもないのにマスクをしたことがある」というアンケートに「ある」とした回答は
    男子・・・12.9%
    女子・・・33.6%
    もあり、『だてマスク』派の人が増えています。
  •  
  • •マスク着用の理由(自由記載)では、43.9%が「顔を隠して落ち着きたい」と回答。その他の理由には、
  • ・防寒など身体的健康衛生上の着用
  • ・理由なくつける
  • ・ニキビなどを隠したいとなっています。
  •  
  • •「相手の表情から気持ちをくみ取るという、
    円滑なコミュニケーションの基本を阻害するような
    マスク流行の実態が明らかになった」と指摘されています。
  •  
  • •ニキビとマスクの関係では、
    イ)『ニキビを隠すためにマスクをする場合』
    ロ)『マスクが顔の皮膚に刺激を与えニキビが発生している場合』
    の2つがあります。
  •  
  • •イ)は、マスクをはずして治療に専念するとほとんど改善します。
  •  
  • •ロ)の場合は、患者さん本人がマスクがニキビ発生の原因であることに気づいていない、あるいは、気づいていてもスルーしてしまうことが問題です。
    とくに、マスクをすることが生活の一部になっている『だてマスク』派のニキビ患者さんの対応には苦慮します。
  • •『相手の表情から気持ちをくみ取るという、円滑なコミュニケーションの基本を阻害するようなマスク流行』がニキビの発生につながり、皮膚科外来では新たなバトルが勃発しています。
  • •次回では、『だてマスク』派のニキビ患者さんにも納得していただけるような方法についてお話します。
 

 私は、マスクは必要最小限にしか着用しません。

外来ではともかく話をして動き回るので、その障害になってしまうためです。

先日、ある講演会で非常に用意の良い先生を目撃しました。

隣の席の先生が咳を何回かした所、スーツの裏ポケットから、いきなりマスクを取り出して着用したのです。
その間、数秒。
すご過ぎの早業でした。

私もこれくらいの対応ができる人間にならなければダメだなと思った次第です。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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