コラム 「 とかちの窓から 」Column

第125回 『「重症ニキビ」でお悩みの方は「子宮内膜症」にご注意ください!』
(2015年1月20日配信)

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい#

こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。
ちょっと遅くなりましたが、本年もよろしくお願いいたします。

最近、話題の『ハイレゾ』を導入しました。

『ハイレゾ』ってなんでしょうか?
(正式には『ハイレゾリューションオーディオ:High-Resolution Audio』)

CDを超える高音質音源のことをハイレゾ音源と呼びます。
ハイレゾ=高解像度の意味で、
ハイレゾ音源はCDを上回る情報量をもっているそうです。
ハイレゾ音源は、音の情報量がCDの約6.5倍(192kHz/24bitの場合)!

スタジオやコンサートホールで録音されたリアルサウンドが忠実に再現。
アーティストの息づかいやライブの空気感など、
CDでは聞こえなかったディテールやニュアンスを感じとれます。

いわゆる
『音の量がちがう!』
(by 木村カエラ さん)というものです。

ダウンロードした最初の音源は、
高校の同級生、吉田美和さんの『ドリカム』のアルバム『ATTACK 25』。

部屋の10数年程前の古ぼけたオーディオセットから聞こえてきたのは、
圧倒的な吉田さんのボーカルと歯切れよいサウンド。
吉田さんがすぐ目の前で歌っている感じです!
すごい時代になったものです。

とはいえ、実はここまでくるまでは結構、大変でした。
機器を揃えたり、各種の設定など、
私なりに『 壁 』を乗り越える必要がありました。
知り合いのPCやオーディオに詳しい方にずいぶん『 サポート 』
してもらいました。

そうそう。
ニキビが改善するまでには、
いろいろな『 壁 』を乗り越える必要がありますね。

ニキビに関するいろいろな情報を集めるにも『 壁 』があります。
生活習慣や化粧品を変えたり、
髪型を変えたりするにも『 壁 』があります。

皮膚科を受診するにしても、
診療時間に合わせてスケジュール調整したり、
予約を入れるにも『 壁 』がありますね。

『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。
このメルマガが、月に1度必ず届く、
『 ニキビ改善に必要な様々な「 壁 」を乗り越えるために
  様々な「 サポート 」を行い、
  何となく読んでいるうちに
  いつのまにかニキビが改善している定期便 』
になれば幸いです。

ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、 根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。

このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、
自分自身が一歩でも前に進むつもりで、
毎月お届けさせていただいています。

とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を
毎月発行しております。

そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せています。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』

今日から私は以下の4つを良く守り、 ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

これは私が皮膚科診療を24年やってきた中で非常に重要と思い標語に したものです。

ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。

このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて 解説してきました。

第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を
『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連した
こと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )
にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。

(バックナンバーは
  http://www.tokachi-derma.com/content/column をご覧下さい。)

第112回からは、『ストレス』の対処法に最適な本
『「凹(ヘコ)まない」技術』( 西多昌規 著)
をもとに、『ニキビ』と『ストレス』についてとりあげています。
『ニキビ』と『ストレス』の対処法は、ちょっとお休み。

前回は、『ニキビダニ』について取り上げました。
今回は、『ニキビ』と『婦人科の病気:子宮内膜症』との関係
についてとりあげます。

『10代の重症ニキビは子宮内膜症の早期発見に有用?』

*「Severe teenage acne and risk of endometriosis」
Human reproduction(Oxford,England).2014.Aug 19;pii: deu207.

 よりの引用です。

10代はホルモンバランスが不安定で、ニキビができやすい時期です。
その程度には軽症から重症まで個人差があります。

その中でも

『重症で治りにくいニキビがある女性は、
 将来、子宮内膜症になるリスクが少し高くなる可能性がある』

という報告です。

『子宮内膜症』とはどんな病気でしょうか?

『子宮内膜症』は、
本来は子宮の内側にしか存在しないはずの子宮内膜が、
卵巣や腹膜など子宮以外の場所で増殖してしまう病気です。

生理のときにそこでも同じように剥離(はくり)して、
炎症や痛みを伴います。

『子宮内膜症』の代表的な症状は、
だんだんひどくなる生理痛です。

痛み止めを飲むことが多くなってきた、
薬が効かない、毎月のように寝込むという人は、
婦人科の受診をお勧めします。

治療はその程度や症状により異なります。
ホルモンなどの内服治療や鎮痛剤で経過観察のみの場合、
症状によっては手術を行う事もあります。

実際に行われた研究の中身をみてみましょう。

これまで、
『特に10代などの思春期の重症ニキビ』と『子宮内膜症リスク』
との関連性については検討されていなかったそうです。

研究グループは、以下の
看護師さん(大部分が白人)の健康調査のデータを検討したそうです。

(1989年9月〜2009年6月までの看護師健康調査II(NHS II)コホート
 から8万8,623例のデータを集めて検討。
 回帰モデルを用いて、10代の重症にきびの有無別に、
 子宮内膜症発生のハザード比(HR)と信頼区間(CI)を算出。
 多変量モデルを用いて、
 既知の子宮内膜症リスク因子については補正を行った。)

主な結果は以下の通りです。

イ)追跡総計113万2,272人年において、
  計4,382例が、腹腔鏡検査で『子宮内膜症』が確認された。

ロ)10代の重症ニキビがなかった女性群に比べて、
  有していた女性の子宮内膜症リスクは20%増大した。
  (HR:1.20、95%CI:1.08〜1.32)

ハ)テトラサイクリンやイソトレチノイン使用の影響は認められなかった。

ニ)この研究には、以下の問題点があります。

(1)HRが腹腔鏡検査で確認された子宮内膜症についてのみを含んだため、
   過小評価されている可能性があった。
(もっと腹腔鏡検査を行うと子宮内膜症が更に発見される可能性がある)

(2)被験者の地理的背景は多様であるが、
  NHS IIコホートは大部分がコーカサス系の白人で占められており、
  人種的に多様な集団ではなかった。
(他の人種を検討すると違った結果となる可能性がある)

ちょっと難しかったかもしれませんね。

簡単にまとめてみましょう。

『10代で重症なニキビを経験した女性は、
 将来、子宮内膜症になる可能性が少し高いです。
 生理痛がだんだんひどくなってきたり、
 痛み止めを飲むことが多くなってきたり、薬が効かなくなってきたり、
 毎月のように寝込むという人は、
 早めに婦人科を受診したほうが良いでしょう』

ということです。

この『子宮内膜症』。
実は、第33回のコラムでも少し触れています。

確かに女性の重症ニキビの患者さん(20〜30代)では、
婦人科に『子宮内膜症』で通院中という方が少なからずいらっしゃいます。

でも、救いは『子宮内膜症』の治療がうまくいけば、
『重症ニキビ』も改善することが多いということです。

ニキビ、特に重症のニキビでお悩みの方は、
『子宮内膜症』のことも頭に入れておいた方が良いですね。

[今回のポイント]は以下の通りです。

【今回の4決め!落ち穂拾い】
『「重症ニキビ」でお悩みの方は
「子宮内膜症」にもご注意ください!』

  • ■『10代の重症ニキビは子宮内膜症の早期発見に有用なマーカー』
     となる可能性があるという研究結果が発表されました。
  • ■ ちょっと難しい研究内容です。
      当コラム的に簡単にまとめると以下のようになります。

      『10代で重症なニキビを経験した女性は、
       将来、子宮内膜症になる可能性が少し高いです。
       生理痛がだんだんひどくなってきたり、
       痛み止めを飲むことが多くなってきたり、
       薬が効かなくなってきたり、
       毎月のように寝込むという人は、
       早めに婦人科を受診したほうが良いでしょう』
  • ■ 『子宮内膜症』については、
       第33回のコラムでも少し触れています。
  • ■ 『子宮内膜症』の治療がうまくいけば、
      『重症ニキビ』も改善することが多いと感じます。
  • ■ ニキビ、特に『重症のニキビ』でお悩みの方は、
      『子宮内膜症』のことも頭に入れておくと良いでしょう。

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆「落ち穂 その109」彡☆彡☆彡☆彡☆彡

12月の中旬に当地では一晩で60cmの大雪が降りました。 少雪から一転の大雪で、除雪・排雪に大変苦労しました。

年明けは、ありがたいことに、 最高気温が連日プラスの穏やかな日が続いています。

また、厳しい寒波がやってきそうですが、 今のこの平穏な日々に感謝して、楽しみたいと思います。

次回も、最近のニキビのトピックについて取り上げます。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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