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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2015年7月20日配信)

第131回『「トランス脂肪酸」を減らして「ニキビ改善」 >  〜(1)アメリカと日本の最近の動き〜』

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい#

こんにちは。とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

『熊出没注意』
というと北海道の土産物店の旅行記念グッズとして有名です。

30年以上前、高校の修学旅行で泊まった京都の旅館での実話です。

年季の入った仲居さんに
『北海道では熊がよく出るんでしょ?』
と聞かれたことがあります。

『山に近い所では確かに出るけど—-。
 でも僕らが住んでいる帯広などの市街地では絶対出ません!』
私はムキになって答えました。

しかし、それを訂正しなければならない事件(笑)が起きました。
以下、地元新聞『十勝毎日新聞社ニュース』(2015年6月7日)
の引用です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【音更】7日朝、音更町木野西通16周辺で、複数回にわたってクマが
目撃された。住宅地や中学校のすぐそばで、ベテランハンターら関係者
も驚いている。帯広署、音更町役場、ハンターらが付近を捜索している
が、午後1時現在、クマは見つかっておらず、けが人は出ていない。
同署や町役場は、付近住民に注意を呼び掛けている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

当研究所から300m程離れた
人工の水路が流れる近代的(強調!)な散策路での目撃情報。
2日程で『熊』は市街地から去り、熊騒動は終息しました。

当地はエゾリスの他、時期によってはキタキツネを見かけることもあり、
自然豊かな環境だと自負していました。
でも、熊は『想定外』でしたね。

そうそう。
『想定外』のことはどうしても起きます。
大切なのはどう頭を切り替えて対応するかです。

『ニキビ』が急に悪化した時はどうしたらよいでしょう?
『皮膚科』でそれに見合った治療を受けることがまず第一です。
生活全般を見直す必要があるかもしれません。

『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。
このメルマガが、月に1度必ず届く、

『 25年の皮膚科外来診療で得られた「経験」をもとに
  「ニキビ改善」に必要な情報を提供し、
  「ニキビ」が「想定外」に悪化した時でも
  バックナンバーを読んで実行しているうちに
  いつのまにかニキビが改善している定期便 』

になれば幸いです。

ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、
根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。

このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、
自分自身が一歩でも前に進むつもりで、
毎月お届けさせていただいています。

とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を
毎月発行しております。

そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せて
います。
(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』

今日から私は以下の4つを良く守り、
ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

これは私が皮膚科診療を25年やってきた中で非常に重要と思い標語に
したものです。

ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。

このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて
解説してきました。

第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を
『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連した
こと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )
にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。

(バックナンバーは   https://www.tokachi-media.com/content/column をご覧下さい。)

第112回からは、『ストレス』の対処法に最適な本
『「凹(ヘコ)まない」技術』( 西多昌規 著)
をもとに、『ニキビ』と『ストレス』についてとりあげています。
『ニキビ』と『ストレス』の対処法は、しばらくお休み。

前回は、『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』の
『(2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。』と関連して、
最近の『女性誌の髪型を特集した記事』を応用した

『決定版!よくわかる6つのスタイル分類!!
 アゴ・頬・額のニキビは
 あなたにあったショートヘアで改善できます!』

という『フローチャート』を作成し、
『ニキビ改善』につなげる方法についてお話しました。

今回は、最近のニュース
『米(アメリカ)「トランス脂肪酸」禁止 
             食品・外食、使用量削減急ぐ』
      (日経新聞 2015年6月18日)
という新聞記事から、
『ニキビ』と『トランス脂肪酸』について再び考えたいと思います。

『ニキビ』と『トランス脂肪酸』の関係については、

 第33回『食べ物、特にトランス脂肪酸について』

 第38回『トランス脂肪酸について〜私の経験から』

 第39回『トランス脂肪酸について〜私の減量工夫』

と早い時期から、これまで何度も取り上げさせていただいています。

『食べるプラスチック』ともいわれる『トランス脂肪酸』は、
植物油に水素を添加してマーガリンやショートニングを作る過程
で生成される『不飽和脂肪酸』と呼ばれる脂質の一種です。

安く大量生産できるという利点があるため、
様々な食品に使用されています。

トランス脂肪酸が含まれる食品はマーガリン以外に、
ショートニング(*)を使用する食品のほとんどに含まれ、
揚げ菓子やケーキ、チョコレートなどにも含まれます。
また、ファーストフードの揚げ油にも含まれています。
日本食品油脂検査協会によれば、
「洋食のすべてに含まれると考えて良い」と考えられています。
(*)パンや焼き菓子などにバターやラードの代用として利用される食用油脂

『トランス脂肪酸』を多く摂ることで危惧されている体への影響は
主に以下の3つです。

1)血中の悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らす。
2)心臓病のリスクを高め、発ガン性、アレルギー誘発の可能性がある。
3)ホルモンのバランスを乱し、子宮内膜症や不妊症などの婦人科系
  トラブルの原因となる。

食事を通して体内に過剰に摂取された『トランス脂肪酸』は、
『ニキビ』に悪影響を及ぼしている可能性があります。

そのメカニズムは、以下のように想定されます。

1)食事を通して体内に過剰に摂取された『トランス脂肪酸』
  は体内で酸化。活性酸素が大量に作り出される。

2)結果として人体の免疫力が下がり、
  肌のターンオーバーが障害され『ニキビ』ができやすくなる。

3)体調が悪く、新陳代謝が正常に行なわれない状態では
  さらに『ニキビ』が悪化する。

新聞では以下の報道がなされています。
『米食品医薬品局(FDA)が16日、『トランス脂肪酸』の食品添加物を
 2018年6月から原則禁じると発表した。心臓疾患のリスクを高める
 と判断した。日本でも山崎製パンなどの食品メーカー、日本KFCなどの
 外食チェーンがさらに削減する取り組みを急ぐ。消費者の関心の高まり
 を受け、対策の遅れている中小企業などは原料や製法の見直しでコスト
 高にもつながりそうだ。』

内閣府の消費者委員会によると
イ)日本人のトランス脂肪酸からのエネルギー摂取量は総摂取量の約0.3%。
ロ)米国人の約2%、英国人の約1%より少ない。
ハ)1%未満を求める世界保健機関(WHO)の勧告値も下回っていること
  から、政府は食品に含有量などの表示を義務付けていない。
とのことです。

一方、厚生労働省は
『日本人の通常の食生活で健康への影響は少ない。
 現時点で規制を導入する予定はなく、
 今後も継続して検討すべき課題』
としているそうです。

医療行政等では厳しい厚生労働省ですが、何か歯切れが悪いですね。

次回のコラムでは、他の雑誌記事などを参考に
『トランス脂肪酸』について更に考えたいと思います。

『トランス脂肪酸を含む食品を「避ける」あるいは「できるだけ減らす」
 食生活を送ることが、ニキビ改善につながり、健康につながる』
と私は考えています。

[今回のポイント]は以下の通りです。

【今回の4決め!落ち穂拾い】

『「トランス脂肪酸」を減らして「ニキビ改善」
  ~(1)アメリカと日本の最近の動き~』

  • ■  『米(アメリカ)「トランス脂肪酸」禁止 
        食品・外食、使用量削減急ぐ』
                (日経新聞 2015年6月18日)
      という新聞記事から、
      『ニキビ』と『トランス脂肪酸』について再び考えました。
  • ■  第33回『食べ物、特にトランス脂肪酸について』
       第38回『トランス脂肪酸について〜私の経験から』
       第39回『トランス脂肪酸について〜私の減量工夫』
       のコラムも参考にして下さい。
  • ■ 1)食事を通して体内に過剰に摂取された『トランス脂肪酸』
        は体内で酸化。活性酸素が大量に作り出される。
      2)結果として人体の免疫力が下がり、
        肌のターンオーバーが障害され『ニキビ』ができやすくなる。
      3)体調が悪く、新陳代謝が正常に行なわれない状態では
        さらに『ニキビ』が悪化する。

        食事を通して体内に過剰に摂取された『トランス脂肪酸』は、
        上記のメカニズムで『ニキビ』に悪影響を及ぼしている可能性
        があります。
  • ■ 『米食品医薬品局(FDA)が16日、『トランス脂肪酸』の食品添加物を
      2018年6月から原則禁じると発表した。心臓疾患のリスクを高める
      と判断した。日本でも山崎製パンなどの食品メーカー、日本KFCなどの
      外食チェーンがさらに削減する取り組みを急ぐ。消費者の関心の高まり
      を受け、対策の遅れている中小企業などは原料や製法の見直しでコスト
      高にもつながりそうだ。』と新聞では報道されています。
  • ■  一方、日本の厚生労働省は
      『日本人の通常の食生活で健康への影響は少ない。
       現時点で規制を導入する予定はなく、
       今後も継続して検討すべき課題』
       としています。
  • ■ 『トランス脂肪酸を含む食品を「避ける」あるいは「できるだけ減らす」
       食生活を送ることが、ニキビ改善につながり、健康につながる』
       と私は考えています。
  • ☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆「落ち穂 その115」彡☆彡☆彡☆彡☆彡

    『熊騒動』は本当にびっくりしました。

    当研究所の駐車場でも警戒の車両が常駐したり
    一時は非常線が張られるなど大変なことになっていました。

    でも、何事も無く、無事で良かったと思います。

    人生やっぱり長生きするものですね。
    いろんな経験ができてラッキーです。

    次回も、『トランス脂肪酸』のトピックについて取り上げます。

    それでは。

    おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
    (昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
    平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
    平成14年とかち美白研究所開所。
    日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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