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コラム 「 とかちの窓から 」Column

(2016年12月20日配信)

第148回『「ニキビ」が「将来のお肌の若さ」につながる可能性アリ!〜ニキビ版『人間万事塞翁が馬』〜 』

#お時間のない読者の方は[今回のポイント]だけでもお読み下さい#

こんにちは。
とかち皮膚科院長・とかち美白研究所所長の大石真暉です。

都市間高速バス。
最近までほとんど乗ることはありませんでした。

今年の夏の台風の影響で、
帯広ー札幌間のJRはほとんど運休状態となりました。

講演会などで札幌へ行くことの多い私にとっては、
JRが使えないのは困ります。

残る選択肢は、都市間高速バスの一択のみ。

長時間、狭い座席にすし詰。
高速道で事故があれば運行停止や到着遅延といった、
あまり良くないイメージが頭にあり、
私はこれまで二の足を踏んでいました。
しかし、背に腹はかえられません。

歩いて行けるバス停から乗降りできる高速バスは、
運が良ければ3列シートに座ることができます。
思ったより広く、トイレもついています。
テレビ・ラジオ放送やDVDによる映画上映があり、
無料Wi-Fiも使えます。

運賃は3割安。

運行時間がJRと比べて、往復2時間程余計にかかることも
『フレキシブル』に考えると妥当なところでしょう。

そうそう、『フレキシブル』は大切です。

多少のマイナス面には目をつぶって、
『フレキシブル』に切り替えてみると、
見えてくるものがあります。

『ニキビ改善』は一筋縄ではいかないことも多いです。
このメルマガが、月に1度必ず届く、

『 26年の皮膚科外来診療で得られた経験をもとに
  規則正しい生活、精神の安定、お肌の保湿などの
 「ニキビ改善」に重要な良い刺激となる情報を数多く提供。
 「フレキシブル」に対応し「継続」してチャレンジする
  うちに「ニキビ改善」への道が開ける定期便 』

になれば幸いです。

ニキビの治療には、お薬の力(=テクニカル/技能面)ばかりでなく、
根気よく治療に取り組む力(=メンタル/精神面)も大切です。

このコラムが、その両方をうまくケアしていければ最高だなと思いつつ、
自分自身が一歩でも前に進むつもりで、
毎月お届けさせていただいています。

とかち美白研究所では、VCローション等を購入されている方に会報を
毎月発行しております。

そこの片隅に『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』というものを載せて
います。

(思い当たる所があれば今日から早速実行してみて下さい。)

『ニキビ治療の4ヶ条(4決め!)』

今日から私は以下の4つを良く守り、 ニキビ改善を目指すことに決めました!

  • (1)爪を切って手は下に置くことに決めました。
  • (2)髪型は適切にアレンジすることに決めました。
  • (3)規則正しい生活を送ることに決めました。
  • (4)お肌はしっとり潤いを保つことに決めました。

これは私が皮膚科診療を26年やってきた中で非常に重要と思い標語に
したものです。

ニキビ治療には様々な治療方法があり考え方も様々です。

このコラムでは、第15回までは『ニキビ治療の4ヶ条』を系統立てて
解説してきました。

第16回からは『落ち穂拾い』と題して、『ニキビ治療の4ヶ条』を
『基本中の基本(中核)』と考え、日々気付いたニキビ治療に関連した
こと一つ(今まで取り上げていなかったが重要なことなど= 落ち穂 )
にフォーカスをあて(= 拾い )、お話させていただいています。

(バックナンバーは
  https://www.tokachi-media.com/content/column をご覧下さい。)

前回は、『「正しい洗顔方法」を知って「ニキビ改善」!(2) 
〜 乾燥を防ぐポイント 4つとは? 〜 』と題して、
洗顔による乾燥を防ぐポイントについてお話させていただきました。

今回は、
ニキビと肌の老化についてちょっと驚くお話をさせていただきます。

医学関係のニュースをチェックしていて、
『あっ!』と思ったのが以下の記事です。

『思春期にニキビが多かった人は肌の老化が遅い可能性』

『CareNet 日刊ニュース 10月24日号』からの引用です。

ニキビに悩んだ経験のある人には良いお知らせが届きました。

  『思春期にニキビがあった人は、ニキビのなかった人に比べて
      皮膚の老化が緩やかである可能性がある』

との知見が、
1,200組超の双生児を対象とした英国の研究から示唆されました。
( Ribero S, et al. J Invest Dermatol. 2016 Sep 27. [Epub ahead of print] )

この研究の対象者の4分の1は、
生涯のいずれかの時点でニキビに苦しんだ経験があったそうです。
英キングス・カレッジ・ロンドン双生児研究・遺伝疫学部で
研究を統率した、皮膚科医のSimone Ribero氏は、

『皮膚科医の間では長年、ニキビになったことのある人の皮膚は、
 全くニキビができなかった人の皮膚に比べて老化が遅いことが
 知られていた。
 しかし、臨床の場ではこうした所見が認められていたにもかかわらず、
 その原因はこれまで明らかにされていなかった』

と研究の経緯を話されています。

毎日、外来で患者さんを診察していると多くのお年寄りに出会います。

90代の患者さんも珍しくなく、
時には100歳を迎えた超高齢の患者さんにもお会いします。

85歳以上の超高齢の患者さんのお肌を診察すると、
若々しい肌を持っている年齢を感じさせない方もいれば、
くすんだ感じの肌で年相応の方もおられます。

若々しい肌を持っている超高齢者のお肌を何気なく観察すると、
『おや? 昔、この患者さんはニキビだったんだ。
 いじって跡が残ってしまった所もある。
 昔からきれいな肌だった訳ではなかったんだ』
と、意外感を持つことが結構ありました。

『 歳をとってもきれいな肌 = 昔からずっときれいな肌
    ということではなさそうだな。

  

これはどういうことなのかな?

  野球の松井選手の肌の調子が年をとってから良くなったことも
  関係あるのかな? 』

長年の疑問に対する答えがようやく見つかりました。

難しいことは省略しますが、以下の結論が導かれました。

『若いころニキビに悩まされた人は、
 白血球のテロメア(染色体の末端を保護するDNAのキャップ構造)
 が長い可能性がある。
 そのため、
 細胞の老化が遅くなることにつながり若々しい肌を保つ傾向
 があるのではないか』

というものです。

『テロメア』って何でしょうか?

『テロメア』は、細胞の遺伝情報が詰まっている染色体の末端にあり、
染色体を安定させ保護する役割を持っています。
細胞が分裂するたびに『テロメア』は短くなります。
『テロメア』の量は動物の種類によって決まっていますが、
人間の場合は約50回分。これが尽きると寿命も終わりを遂げるようです。

今回の研究は『テロメア』の長さと皮膚の老化の因果関係を証明したわけ
ではありません。

でも、以前ニキビで苦しんでいたことが、
将来のお肌の若さにつながる可能性があるというのはgood news。

以前、取り上げた、以下の諺を思い出します。
(第122回のコラムをご覧下さい。)

『人間万事塞翁が馬』

読み:じんかんばんじさいおうがうま

意味:人生における幸不幸は予測しがたいということ。
   幸せが不幸に、不幸が幸せにいつ転じるかわからないのだから、
   安易に喜んだり悲しんだりするべきではないというたとえ。

これは、まさしく 『 ニキビ版「人間万事塞翁が馬」 』。

人生は『フレキシブル』に考えて生きることが大切なのですね。

[今回のポイント]は以下の通りです。

 
      

【今回の4決め!落ち穂拾い】

『「ニキビ」が「将来のお肌の若さ」につながる可能性アリ!
   〜ニキビ版『人間万事塞翁が馬』〜 』

  • ■  ニキビに悩んだ経験のある人には良いお知らせが届きました。
  • ■  『思春期にニキビがあった人は、ニキビのなかった人に比べて
       皮膚の老化が緩やかである可能性がある』
      との知見が、1,200組超の双生児を対象とした英国の研究から
      示唆されました。
  • ■  『若いころニキビに悩まされた人は、
       白血球のテロメア
       (染色体の末端を保護するDNAのキャップ構造)
       が長い可能性がある。』
  • ■  『そのため、
       細胞の老化が遅くなることにつながり若々しい肌を保つ傾向
       があるのではないか』というものです。
  • ■ 以前ニキビで苦しんでいたことが、
      将来のお肌の若さにつながる可能性があるというgood newsです。
  • ■ まさしく『ニキビ版「人間万事塞翁が馬」』です。

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆「落ち穂 その132」彡☆彡☆彡☆彡☆彡

今年もあと少しとなりました。

JRも年末年始より何とか正常化するようです。

50歳となった今年はフレキシブルな対応が求められた1年でした。

普通に生活できるということのありがたさをつくづく感じた1年でも
ありました。

読者の皆様に心から感謝いたします。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

それでは。

おおいし まさき(大石 真暉:ペンネーム)
(昭和41年北海道帯広市生まれ。平成6年札幌医大大学院修了。
平成7年同皮膚科学講座助手。平成9年とかち皮膚科開院。
平成14年とかち美白研究所開所。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

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